カナル型で周囲の音もあまり入ってこない
サーキットでも使いたい逸品
イヤホン部はいわゆるカナル型のイヤーピースを採用しており、装着すると周りの音はあまり聞こえません。フィッティングは上々で重さもあまり感じません。これなら家はもちろんのこと、音の大きなサーキットで、SUPER GTライブタイミングアプリから流れる実況音声もしっかり聞くことができるでしょう。さらに楽曲や気分に合わせて切り替えが可能な3種類のサウンドモード(FLAT・BASS・CLEAR)を搭載。個人的にはFLATがもっとも好ましいように思いましたが、サーキットではCLEARの方が実況が聴こえやすいかもしれません。
特筆すべきは、イヤホン部にリモコンとマイクを備えていること。急な電話はもちろんのこと、テレワークでの会議用としても、このイヤホンを使うことができます。さらにイヤホン部にはボタンが内蔵されており、選曲操作などもできます。
参考までに充電ケースの大きさは高さ約47×幅55×奥行約33mm(実測値)で、重量はイヤホンを入れた状態で約55g。カバンの中でかさばることはないが、いっぽうでストーン仕上げゆえにホコリなどは付きやすいかもしれない。
それでは実際に自宅でSUPER GT第2戦を、コラボイヤホンを使ってステイホーム観戦してみました。観戦方法はAmazon Prime VideoのJ-Sportsチャンネルを使い、自宅PCで見るというもの。タイムラグはあるのですが、こちらの方が回線が太いためかJ-Sportsオンデマンドよりも紙芝居率が低いように感じています。
実況や解説の声は耳あたりがよく、明瞭でありながら聴き疲れしないのが美質。エンジン音も低域からしっかり迫力のあるサウンドが聞こえてきます。オーバーヘッドホンと異なり、夏場に耳のあたりが暑くて蒸れることがないのもいいですね。
第2戦の23号車は予選5番手とまずまずの位置。富士は過去、得意なコースとしているので、期待が高まります。いつもは「これといった推しのチームがない」筆者ですが、コラボイヤホンをしているためか、日産車を所有しているわけでもないのに、いつしか気持ちは日産応援団の一員。つい「GO! GO! NISSAN」と独り心の中で声援を送ってしまいます。
23号車のスタートドライバーはロニー・クインタレッリ選手。ですが序盤はペースが上がらず苦しい展開に。一時は9位まで順位を下げてしまいます。いてもたってもいられず、イヤホンのまま部屋の中をウロウロする筆者。ですが通信距離は約10mあり、ウロウロしても音声は途切れません。また音声が入っていない時は、オートパワーオフ機能もありました。
10周を過ぎるころから、23号車は徐々にペースアップし追い上げにかかります。そして約半分の周回数となる31周を終えた頃にピットイン。
「究極のGT-Rオタク」こと松田次生選手に交代し後半スティントに挑みます。松田は、終盤の49周目に1分30秒台半ばのベストラップを記録し、着実な走りで10位フィニッシュ。最終結果は9位入賞し、貴重な2ポイントを獲得しました。
イヤホンですので、iPhoneとBluetooth接続して音楽も聴いてみました。まず全体の音調としてはBluetooth通信を用いる都合、ワイヤードに比べると情報量が少ない傾向になるのは仕方ないところ。それを踏まえた上で、低域はカナル型による密閉度の高さゆえに十分すぎるほどの量感で、いわゆるピラミッドバランスの音調。高域は丸みを帯び刺激的な要素は皆無。ハイエンド系にありがちなモニターライクで顕微鏡的に聴く向きとは異なる、音楽の流れを重視した、ゆったりと聴かせるモデルのように感じました。長時間試聴でも聞き疲れしない点も好印象です。
レース観戦はもちろんのこと、普段使いとしても「ちょっとコダワリ」の逸品といえるNISMO×KENWOODのコラボレーションモデル。500個限定ですので、気になる方はポチってみてはいかがでしょう。