「ごろごろチキンのバターチキンカレー」
松屋
並680円、ライス大盛740円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/200721.html
人気メニューが復活しました
コストパフォーマンスという言葉がありまして。コスパですよね。多くの人はコスパを気にして生きているといっても過言ではない。損した気分になりたくはない、得した気分になりたい。
コストパフォーマンスとは、コストとパフォーマンスを対比させた度合いでして、ここからいきなりお昼ごはんの話にするわけですが、たとえば2500円ぐらいを出せば豪勢なランチができるのは、ある意味では当然なんですよね。高いから豪華だしおいしいでしょう、みたいな。
なので、「1000円だとちょっと高いが、ワンコインでいまいちパッとしないのもそれはそれで……」みたいな気持ちを満たすべく、コスパを重視してライン取りしていく必要がある。300円で超うまい、みたいなものはそうそうあるはずもなく、いつもの値段よりちょっと高いかな〜、でも食べるとかなり満足するな〜、ぐらいのパフォーマンスを求めています。
松屋は、「ごろごろチキンのバターチキンカレー」を7月21日から発売中。価格は並680円、ライス大盛740円。
2019年に好評だったというカレーが今年も登場。松屋フーズのカレー専門店「マイカリー食堂」の人気メニュー「バターチキンカレー」を松屋流にアレンジし、コクがありマイルドな口当たりで、風味豊かなバターの香りとトマトの旨味が広がる、ごはんがすすむ一品に仕上げたということです。
プラス100円で生野菜がセットになったメニューも用意されます。また、発売を記念して、ごろごろチキンのバターチキンカレーを注文すると、8月4日10時までライス大盛の無料サービスが適用されます。
味と価格、ちょうどいいんです
カレー専門店のメニューだったものをアレンジしたわけですから、ルー自体の味もしっかりしているし、トマトの香りも残していて、ちゃんと「バターチキンカレー」のテイストにまとまっています。ここはえらいですよね。
ちょうどいい味です。680円、昨年より30円値上がりしましたが、カレーとして高すぎるというほどではない。昨年はもうちょっとたまねぎが多かったような気がしますが。
ごろごろチキンという名に恥じず、チキンが大きめなのも、うれしいところ。松屋のチキンカレー、総じて、この肉の大きさがポイントなのだと思います。定食を出しているところのボリューム感だな、という風情がある。
ところで、バターチキンカレーというとライスではなくナンで食べたいという人もいるかなと。このカレーはその辺りも考えられていて、ごはんに合うようにちょっと味が強めなんですよね。お米が進む味付けといいましょうか。
まあ、カレー的に100点満点か、といわれると、ちょっと惜しい感じもあります。上を見ればキリがないのはカレーの世界においては仕方がないところで、もうすこしどっしりしたコクがあれば……とか、奥深いスパイスの香りがチキンにほしい……とか、そんなご意見もありましょう。
とはいえ、誰しもがカレー専門店に気軽に行ける環境ではないわけで、店舗数の多いチェーン店で、680円のバターチキンカレーがあることが、やはりありがたいことだと考えてもよいのではないでしょうか。
飲食における価格の話題は、喧々囂々になりやすいものです。ある人が高いと言えば「それぐらい出せ」と、ある人が安いと言えば「そんなもの買えない人だっているんですよ」と言われることもしばしば。
都内で一人暮らししている自分はどうかというと、たまに奮発して、港区のフレンチや高級ホテルのアフタヌーンティーに行けるといえば行けますが、そんなにしょっちゅう通えるわけではない。
そういう意味で、いつでもふらっと寄れる牛丼チェーン、しかし、そこでお値段以上のささやかな幸せぐらいあってもいいじゃないの、ぐらいのコスパを求めるならば、ごろごろチキンのバターチキンカレー、よい選択だと思うんですよね。
680円。ランチならこんなところか。でも、ちゃんとバターチキンの味だし、チキンもごろごろサイズで、満足できる。みそ汁は……必要かなあ。なくてもいいけど、まあ、それも一興か。日本らしいといえばそうかも。本当だったら、今ごろ、世界中から東京に人が来ていたはずなんだけどなあ。このカレーとみそ汁の組み合わせ、どう思うだろうなあ……。
味も価格もちょうどいい具合。これを手軽に食べられる、ちょうどいい人生。そういうものに思いを馳せるバターチキンカレーです。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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