メーカーとオペレーターが組む、世界でもまれな取り組み
NTTは、世界有数の研究開発部門を持ち、先進的技術の導入を積極的に推進する世界屈指のオペレータだ。フォトニクス技術やDSPでは業界トップクラスの開発力を持つ。また、NECは、世界的に高度な通信技術やAI、セキュリティなどのデジタル技術を持ち、2011年には、オープン化のベースとなるネットワーク仮想化技術を、世界で初めて商用化。また、日本をはじめとする世界160カ国以上の通信インフラの高度化に貢献してきた経緯がある。
NTTの澤田社長は、「オープン環境において、オペレータとメーカーが組む、世界にはないモデルであり、両社の技術力を結集し、世界で通用する日本発の付加価値の高い技術、製品を開発していく」とし、「これは、新メイド・イン・ジャパンといえる取り組みになる。今後は、6Gに向けても重きを置いていく。オープンアーキテクチャーとオープンアライアンスによるオープン化を牽引し、日本の産業力強化につなげたい」と意気込む。
NECの新野社長も、「日本の代表的通信関連企業である2社が、オペレータとメーカーという垣根を超えて、対等なパートナーとして提携することで、オープン化を牽引し、通信の産業構造の革新を起こし、両社の総力を結集。革新的な技術、製品を創出し、グローバルに展開する」とコメントする。
両社による新たな挑戦は、6G時代までを視野に入れた長期戦になる。
新メイド・イン・ジャパンと呼ぶ、オペレータとメーカーのオープンな連携によって生み出す日本発の付加価値技術や製品が、新たな通信時代において、世界で存在感を発揮できるかに注目が集まる。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ