●iPadからiPhoneへ採用された機能も
今回、iPadOS 14がmacOS 14と体験面での接近を見た一方で、iPadで良かった機能がiOS 14に展開される例も見ることができました。それは、映像のピクチャー・イン・ピクチャーです。
iPadではこれまでも、ビデオ再生を小画面で維持して他のアプリを操作することができました。原稿を書きながらニュースを見たり、YouTubeの解説ビデオを見ながらメモを作成する時にもとても便利で、今回のWWDCのビデオも小画面で再生しながら原稿を書いたりしています。
そのため、実はiPadでは、ビデオを含め、一度に4つのアプリを同時に利用できることになります。メモとエディタアプリで画面を2分割し、かつスライドオーバーでSafariやSlackを必要なときに使い、さらに小画面でビデオを見る。もちろん人間の方が対応しきれなくなるわけですが。
一方iPhoneでは、1画面1アプリの原則が強く、ビデオ再生中にSafariで検索したい場合、アプリを切り替えて検索を済ませ、またビデオ再生に戻る、という行ったり来たりをしなければなりませんでした。
しかし今回、iOS 14でビデオの子画面表示をサポートしたことで、iPhoneでもビデオ再生を継続しながら他のアプリを操作することができるようになりました。
子画面はサイズを変えたり、位置を動かしたり、一度画面の外にしまったりすることができ、再生を止めずに他のアプリを操作し、再びビデオに戻るといった体験が可能になりました。個人的にはあまりマルチタスクを推奨したい立場ではありませんが、体験を継続させる意味で良いアップデートと言えるのではないでしょうか。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
この連載の記事
-
第25回
Apple
macOS Big Surレビュー「iPadOS化」とは言わせないmacOS独自の進化 -
第24回
Apple
秋まで待てない! watchOS 7の「睡眠」機能を先行体験レビュー -
第23回
Apple
Apple Watch「watchOS 7」パブリックベータを試した! 文字盤交換が楽しい! -
第22回
Apple
アップル「watchOS 7」パブリックベータ版を公開 -
第21回
Apple
アップルが「macOS Big Sur」のパブリックベータ版を公開 -
第20回
Apple
macOSに近付いていく? 「iPadOS 14」パブリックベータ・インプレッション -
第19回
iPhone
7月17日は「世界絵文字デー」iOS 14の新ミー文字と絵文字を先行プレビュー -
第18回
iPhone
iOS 14/iPadOS 14にパブリックベータが登場 広くインストール可に -
第17回
Apple
アップル新「マップ」の躍進、Googleマップと真逆のアプローチとは -
第16回
Apple
アップル独創アイデアに敬意「Apple Design Award」受賞者を発表 -
第15回
Apple
Apple Watch新機能「睡眠」こだわりをアップルのテクノロジーVPに聞いた - この連載の一覧へ