NTTドコモのグループ会社で企業の健康経営をサポートするemphealは、6月8日、新型コロナウイルス感染症拡大状況下による企業の在宅勤務状況とその健康状態、仕事への集中力などのパフォーマンスに関連する調査結果を公表した。
emphealでは、企業における健康経営支援と新型コロナ感染予防を目的に、企業・団体と連携する「STOP!新型コロナ~Stay Home For All~ 」プロジェクト5月1日より実施しており、その一環として提携企業の従業員へ調査した結果を公表するもの。本分析では、在宅勤務率80%以上の従業員を解析対象として、在宅勤務以前の状況と比較した現況を調査した。
在宅勤務環境に変化したことにより、活動自粛となった2020年2月以前と比較して、「業務に対する集中力・モチベーション」への変化を聞いたところ、モチベーションが増加したと回答した人は16%に留まり、一方で、34%と約2.1倍の人がモチベーションが減少したと回答。
なお、このモチベーションの変化を年代別で分計したところ、傾向としては、いずれの年代においてもモチベーションが増加した人の割合はほとんど変化がないものの、モチベーションが減少した人の割合は、最も若い20代をピークに、40代に向けて低下する右肩下がりの傾向を示した。
またSNS等を利用したウェブ・テレコミュニケーションの非利用率は、20代では2.3%と非利用者はほとんどいないのに対し、40代に向けて非利用者が増加していく。つまり、20代・30代は、40代・50代と比較して相対的に日常的な遠隔コミュニケーションと親和性が高いと推察。しかし、今回の調査結果では遠隔コミュニケーションの利用傾向と裏腹に、20代・30代の若年層は、40代・50代と比較してモチベーションが減少したという回答が多い傾向が認められた。本調査で認められたモチベーションの変化は、ITリテラシーや普段からの遠隔コミュニケーションの親和性にかかわらず生じていることが考えられるという。
また、モチベーションが減少した群と、モチベーションが減少していない群に分類し、業務に関するコミュニケーションが減少したか、そうでないか(維持、または増加)を分類した結果、モチベーション増加群では、業務に関するコミュニケーションの減少は36%に留まったのに対し、モチベーション減少群では、業務に関するコミュニケーションの減少は80%であり、約2.2倍の人が業務に関するコミュニケーションが減少したと回答した。
同調査ではその他、全身的なだるさ、疲れ、倦怠感について、モチベーションとの関連を検討。業務に対する集中力・モチベーションの低下している従業員は、全身的なだるさ、疲れ、倦怠感の増加を経験している割合が高く、また、全身的なだるさ、疲れ、倦怠感が増加している従業員はストレスを示す要素が全体的に高い傾向を示したという。
また、調査対象者全体的に、腰・肩・首すじのこり・痛みや、眼精疲労を自覚する従業員の割合を調べたところ、その割合は半数を超えており、長期化することで業務に対する集中力・モチベーションの更なる低下リスクが懸念されるという。