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マイナンバーカードを使わない独自の方式で事務の負担を省力化

兵庫県加古川市、特別定額給付金のオンライン申請に「kintone」採用

2020年06月02日 14時30分更新

文● ASCII

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加古川市役所で特別定額給付金申請をオンライン化する独自フォームに「kintone」を採用

 サイボウズは6月2日、兵庫県加古川市において、特別定額給付金申請をオンライン化する独自フォームに「kintone」が採用されたと発表した。このシステムは、各家庭へ郵送される申請書に記載の固有番号を活用し、自治体の住民情報との照合を行うことで事務手続きを大幅に省力化するという。また、申請者の負担を軽減することが可能としている。

 国民1人当たりに10万円を支給する特別定額給付金制度は、コロナ禍での緊急の施策として急遽決まり、マイナンバーカードを活用したオンライン申請も始まっているが、マイナンバーでの本人確認ができていても、申請内容が正しいかどうかの判断は自治体側となり、正しい内容があらかじめ記載された申請書を家庭に送る郵送方式に比較して、申請内容や二重登録の確認に多大な工数がかかっているという。

 これに対して加古川市では、郵送する用紙に記載した固有の番号を活用することで、申請書に印字するデータをそのままシステムに反映できることに着目し、市民への迅速な給付金の支給と市役所職員の事務作業の負担軽減を目的に、独自に申請フォームを作ることにした。

 市民は、郵送された申請書に記載の「照会番号」と、本人確認書類画像の添付、本人名義の口座情報画像の添付により、スマートフォンやPCからオンライン申請ができる。受け取ったデータは照会番号に紐付いており、申請書のデータと簡単に照合できるため、給付までの期間を大幅に縮められるという。振込先口座名などは一覧から選択、誤入力を極力排除したフォーム設計となっており、給付対象者氏名の入力も不要としている。

左:郵送される給付申請書/右:加古川市版オンライン申請フォーム

 今回は緊急の対策ということから、市役所職員が数日間でフォームを作り上げ、kintoneのセキュリティー機能を利用することで安全性を担保できたとしている。申請フォームは、kintoneの連携サービスであるトヨクモのフォームブリッジを使用した。

 加古川市の試算では、11万世帯がこのフォームから申請した場合、郵送で申請した場合と比較して事務処理時間が5分の1へと大幅に削減され、迅速な給付につながるという。また、加古川市では、このテンプレートを事務作業の煩雑化で給付に遅れが生じたり、職員に負担がかかっている自治体へ提供したいとの意向を示しており、サイボウズではその支援をする予定。

事務処理時間が5分の1へと大幅に削減されたという

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