特別企画@プログラミング+ 第44回
コロナでデジタル化が加速。今こそディープラーニングについて学ぼう!!
ITの新常識、日本ディープラーニング協会の「G検定」が受験料半額で実施!
2020年05月19日 09時00分更新
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が、ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する「ジェネラリスト検定」(G検定)。次回G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL 2020#2)が2020年7月4日に実施されることとなり、その申し込みが5月15日に開催された。
G検定は、AIを産業応用するために必要なディープラーニングの知識を問うもので主に一般のビジネスマン向け、E資格が、ディープラーニングの実装能力を問うエンジニア向けの資格である。
今回のG検定は、新型コロナウイルスの感染拡大による在宅期間の長期化を受け、ディープラーニングを学ぶ機会を広げるために、一般:6,000円(税抜)学生:2,500 円(税抜)と、通常の半額の受験料で受験することが可能となっている。
人工知能(AI)は、ルールベースや探索アルゴリズムなどの技術と、機械学習に大別され、ディープラーニングは機械学習の一種である。ディープラーニングは、脳の神経回路の働き(ニューロン)をモデル化し、画像認識や音声認識の分野における性能を躍進させる、AIでは欠かせない技術である。製造業やサービス業、企業のデジタル化を推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)など、様々な分野での応用が進んでいる。
ディープラーニングを学ぶことは、確率・統計や微分などの数学の知識、Pythonなどのプログラミングの学習とも結びつき、いまやITで学ぶべき新常識になりつつある。
今、ディープラーニングの基礎知識を学ぶ意義とは?
そもそもG検定とはどんな試験なのか。JDLA理事・事務局長の岡田隆太朗氏によると、G検定はJDLAの設立趣旨にも関わっているという。
「AIという言葉が先行していますが、圧倒的な成果を出しているのは、ディープラーニングです。そのディープラーニングのことがわかる人材や企業を育成することを目的に、2017年、当協会は設立されました。かつてのITブームのときのように、外部のSIerに丸投げして、ビジネスマンが思考しなくなることを我々は危惧しています。そのために、最初に取り組んだ事業がG検定なのです。ですから、AIの歴史、機械学習、事例、倫理など、ディープラーニングに関することを幅広く学ぶシラバスによって、すべてのビジネスマンに取得いただきたいと願っています」(岡田氏)
JDLAの試験実施レポート(2020年4月版)によると、G検定は2017年の開催から7回開催され、累計受験者は21,275人、累計合格者は14,523人だった。G検定の取得を推奨している企業も多く、研修の一環として入社3年目までにG検定の取得を義務付けている企業もあるという。
また昨年には、ディープラーニングビジネス活用アワードが開催され、ディープラーニングが得意とする画像認識の技術を使った食品原料検査装置を開発した株式会社キューピーが大賞に輝いた。同社がディープラーニングに取組んだきっかけは、ディープラーニングに精通する人材が転職してきたことだった。
「自分たちで考えて生み出せること、共通言語で話せることが大事です。これからは工場等でも“密”を避けるような、変化が求められます。ディープラーニングをわかる人が増えないと始まらないし、ディープラーニングがわかる人が少しでも増えれば、日本は変わっていくと思います」(岡田氏)
学びに都市部も地方も関係ない
今年3月に開催された2020年第1回目のG検定(2020#1)では、初めて受験者数が減ったが、岡田氏によると、これは新型コロナウイルスの影響による。一方で、個人で受験する人の数は増えているという。多くの人がリモートワークに切り替わったことで学ぶ時間ができ、そして未来に対する不安を感じて、自分に投資しようと考える人が増加したからだ。
「新型コロナウイルスにより、リモートワークが進みました。この3年間、ディープラーニングを実装するにあたって多くの人たちが困っていたのは、デジタルなデータになっていないものが世の中に多すぎるということでした。ですが、リモートワークの進展などによってあらゆるもののデジタル化が一気に進み、よりディープラーニングを活用しやすい世界になるでしょう」(岡田氏)
リモートワーク、オンラインでの会議や営業活動のもとでは、都市部と地方の垣根もなくなった。いまや地方にいても、オンラインで学ぶことができる。さらに、現在の状況に対応するために、JDLAでは認定プログラム事業者等の協力を得て、様々なコンテンツを一部期間限定で無料公開している。岡田氏によれば、地方には、事業が素晴らしいにもかかわらず、IT化が十分になされていない企業があるという。IT化を進め、ディープラーニングを応用すれば、業績はもっと伸びるはずだ。地方のビジネスマンこそ、今が学ぶチャンスだと言える。
そして、G検定・E資格合格者を対象としたコミュニティ「CDLE(シードル)」も充実してきている。CDLEは検定試験に合格した者が参加でき、更なるスキルアップおよびスキルの実践、合格者同士の情報交換など、交流の場となっている。
「昨年、G検定・E資格合格者を対象とした“CDLEハッカソン”を開催しました。G検定とE資格合格者をペアにすることで、G検定合格者はエンジニアとの仕事の進め方を肌で感じることができたと思います。4月17日には、ディープラーニング最新情報勉強会をオンラインで開催しました。今後、CDLEを対象とした、様々なオンラインセミナーやライトニングトークなどを企画しています」(岡田氏)
現在、G検定は年3回の開催だが、通年実施を目指している。
「いつでも受験でき、最新情報を常にアップデートできるのが理想です。日本においても、ディープラーニングを活用できる人がいるかどうかが問われています。今後に不安を感じたら、ディープラーニングでビジネスをつくれる人材になってほしい。今こそ学んでほしいと思っています」(岡田氏)
岡田隆太朗氏プロフィール
1974年生まれ。東京都出身。慶応義塾大学在学中に起業し、マーケティング分野で事業を展開。事業売却後、コミュニティオーガナイザーとして活動し、2017年の一般社団法人日本ディープラーニング協会設立にあたり事務局長に就任、2019年より同協会理事に就任。
【G検定 2020#2】
開催日:2020年7月4日(土)
受験資格:制限なし
試験時間:120分
試験内容:知識問題(多肢選択式・220問程度)、オンライン実施(自宅受験)
受験費用:今回に限り一般:6,000円(税抜)学生:2,500 円(税抜)
受験サイト:https://www.jdla-exam.org/d/
【日本ディープラーニング協会推薦図書『AI白書2020』】
発売日:2020年3月2日
編:独立行政法人情報処理推進機構 AI白書編集委員会
発行:株式会社角川アスキー総合研究所
発売:株式会社KADOKAWA
ISBN:978-4-04-911034-0
定価:本体 3,800円+税
版型:A4判 536ページ 2色刷(冒頭のみ4色)
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