佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第22回
小岩井ことりさん、ASMRで耳型採取に挑戦して注目を集める! ヘッドフォン祭 春2020 ONLINE(後編)
2020年05月03日 13時00分更新
17.須山歯研(FitEar)
このコーナーが、一番面白かったのだが、小岩井ことりさんによるASMRトークショーの形で進行した。これはダミーヘッドマイクのバイノーラル配信で、耳型採取を疑似体験するというものだ。つまり、イヤホンを使って配信を聞くと、ダミーヘッドマイクからの音が聞こえ、あたかも耳型を採っているような気分で、音を体験できるというもの。自分もカスタムイヤホンで聞いてみたが、かなりリアルに音が聞こえる。なかなか面白い体験だった。これはアーカイブで聞いて試して欲しい。
次に同様のシステムで、ダミーヘッドマイク用のイヤーチップを使って、いろいろなイヤホンをそれを通して聴いてみる試み。いわゆるオンライン試聴会のようなイベントである。もちろん自分のイヤホンを通すので、完全な再現はできないが、相対的な差はわかるだろうというものだ。FitEarの「Room」や「MH334」を使ってデモされたが、サプライズでFitEar「224DTW」という新製品が、さらっと発表される……というおまけまで付く趣向が面白かった。
FirEarからは須山氏が登場して、消費税分をFitEarが負担するキャンペーンをするというアナウンスもなされた。
ピーク時にはYouTubeで1200人の同時接続があったということだが、目玉である声優さん出演の時間帯でなくても、コンスタントに600~800人の視聴があったということだ。
フジヤエービックの根本氏はイベントについて次のように語ってくれた。
「配信担当が頑張ってくれたおかげで大きなトラブルもなく予定のプログラムをこなすことができた。初の試みとしては大成功だったと思う。あとは小岩井ことりさんというイベントのプロがいてくれて大きな盛り上がりになった。もちろん試聴いただいた皆様から『オンラインでヘッドフォン祭を楽しもう』と好意的に受け止めていただけたこともありがたかった」
地方のヘッドホンマニアや、週末はなかなか休めないという人にもヘッドフォン祭のエッセンスが伝わることで、こうした配信イベントを続けて欲しいという声もあったようだ。この新型コロナウィルスの影響がいつまで続くかはわからないが、その中でも、業界を盛り上げる新しい挑戦をしてみようという意気込みが伝わってくるイベントであったと思う。
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