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3Dプリンタでマスクやフェイスシールドを製造、IT企業による新型コロナ対策への貢献

2020年04月28日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集● ASCII

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リコー、日立、三菱電機など、
国内の 各社がそれぞれの技術で貢献

 一方、リコーグループでは、神奈川県厚木市のリコー厚木事業所において、3Dプリンタや金型を活用してフェイスシールドの生産を開始。4月中には1000個、5月末までに7000個の合計8000個のフェイスシールドを生産し、厚生労働省から感染症指定医療機関に指定されている57の医療機関に対して、無償提供する。

リコーもフェイスシールドを生産

 リコーグループの英国中部の拠点であるRicoh UK Products Ltd.(RPL)では、すでにフェイスシールドの生産を進めており、英国のNHS(National Health Service)に提供を開始。1週間で4万個の提供を目指して生産に取り組んでいるという。今後、同様の取り組みを世界各地で検討し、展開するという。

 また日立製作所では、医療現場で不足しているフェイスシールドを、日立オートモティブシステムズおよび日立グローバルライフソリューションズ、日立ターミナルメカトロニクスの生産拠点において、5月中旬から、毎週2000~3000個のペースで生産を開始。6月には毎週8000~1万個にまで生産量を拡大する計画を発表した。

 さらに日立ハイテクの子会社が所有するクリーンルームを医療機器の生産スペースとして提供すること、生産支援として日立グループ各社から人材を派遣することを政府に申し出たという。用意したクリーンルームは450~500m2で、政府から使用するメーカーが選定された際には、生産の実現に向けて協力するという。

 このほかに日立ハイテクや日立建機などの日立グループ各社から、医療用マスク約11万枚、日立ハイテクから一般向けサージカルマスク約40万枚を提供することを経団連に申し出たという。

 そのほか、日立グループ社員30万人を対象に、2015年から実施している社内アイデアコンテスト「Make a Difference!」において、新たに「Challenge to COVID-19」を用意。新型コロナウイルス感染症への対策に特化したアイデアの募集を開始したほか、コロナウイルス対策に取り組む医療従事者などへの寄付金の募集を開始。社員からウェブで募集を行っているほか、日立グループが支援するクラウドファンディングの枠組みを活用した、新型コロナウイルス対策への融資の取り組みも準備しているという。

 なお日立製作所では、通天閣観光との連携により、新型コロナウイルス感染症治療に尽力する医療従事者へ感謝の意を表し、大阪・新天地の通天閣を、4月27日からブルーにライトアップしている。5月31日までの期間、日没前から午後11時まで実施する予定だ。

通天閣と言えば日立の広告でおなじみだが、青くライトアップすることで医療従事者への感謝を示す

 三菱電機は、約10万枚の医療用マスクと消毒液などを医療機関へ寄付する一方、兵庫県尼崎市の同社生産技術センターと、愛知県名古屋市の同社名古屋製作所で、5月中旬からフェイスガードの生産を開始。三菱電機グループ内で活用することで、外部からの調達量を削減。国内市場でのフェイスガードの安定供給に貢献するという。なお、同社が生産するフェイスガードは、主に生産現場などでの使用を目的としたものであり、医療用ではないとするが、今後は、必要とする企業や団体への提供も計画しているという。

 また、同社では、医療関係者の活動支援や、臨時休校の長期化で影響を受けている子どもたちへのサポートなどに向けた支援金として約1億円を寄付することを発表した。

 会社単独の拠出金と、従業員と会社のマッチングギフト制度である「三菱電機SOCIO-ROOTS基金」による寄付金を合わせて寄付する。「三菱電機SOCIO-ROOTS基金」は、従業員からの寄付金に対して、会社がその同額を上乗せして、倍額にして寄付する制度であり、在宅勤務中でも自宅から寄付できるようにウェブでも募集を開始したという。

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