以前にも紹介した(「開発が進むWindows 10用ユーティリティ「PowerToys」 その機能をチェック」)Microsoftのオープンソースソフトウェア「PowerToys」は、4月に入りv0.16が登場し、新たな機能が追加された。
そのうちのいくつかは、エクスプローラー(File Explorer)の拡張機能である「Markdownプレビュー」「SVGプレビュー」「Image Resizer」である。そのほか、Alt+TabによるTask Switcherと同等の機能をテキスト検索でするWindow Walkerも搭載された。
また、PowerToysのロードマップの概要も示され、完成目標は2020年9月で、今後も機能が追加される予定だという。
PowerToys v0.16 設定ページ
PowerToysは、システムトレー(通知領域)にアイコンを置く「常駐型」アプリケーションだ。このシステムトレーのアイコンの右クリックから「Setting」を選ぶと、設定ページが開く。
以前紹介したときと比べると左側のタブや設定ページの項目が増えている。また、アップデートの有無をチェックする機能もある。V0.14から「Always run as administrator」という設定項目が追加され、PowerToysを管理者権限で起動することが可能になった。これは、ウインドウの配置を行うFancyZonesで、管理者権限で動作しているウインドウの扱いが困難だったことによる。ただし、セキュリティ上の懸念もあるため、ユーザーが選択する設定項目としている。
PowerToysの各機能は、このGeneral Settingページでオンオフが可能になっている。また各項目には、「Overview」リンクがあり、github内のPowerToysページの解説ページが開けるようになっている。ウインドウ左側には、各機能に対応するタブページがあり、ここでは、各機能固有の設定を行える。
エクスプローラーのプレビュー機能拡張
v0.16には、エクスプローラー(File Explorer)のプレビューペイン用に「Markdown」と「SVG」形式のプレビューを可能にする拡張モジュールが追加された。
これを有効にすると、エクスプローラーのプレビューペインで、この2つの形式のプレビューが可能になる。また、Settingsの「File Explorer」ページでは、この2つのプレビュー機能を個別にオン/オフ可能だ。
Markdownは、HTMLの簡約表現で、タグなどを使わずに記号文字などを使ってHTML類似の表現を行える。たとえば、行頭に“#”を並べることでHTMLの見出しレベルなど)を表現できる。HTMLなどへの変換ライブラリがオープンソースなどで提供されており、インターネットでは比較的ポピュラーなテキスト型式だ。githubでも標準ドキュメント形式となっており、各プロジェクトのトップページに表示されるReadMeファイルはこのMarkdownで記述するようになっている。
SVGは、Scalable Vector Graphics形式を指し、2次元のベクトル画像をXMLベースで表現するものだ。ウェブに関する標準化団体であるW3Cで1998年から開発が進められ、現在では、W3C勧告としてベクトル画像の標準的な形式として普及している。また、多くの描画ソフトウェアが対応している。
Windowsでは、こうしたファイル形式のプレビューやサムネイル表示は、基本的にそれを扱うサードパーティソフトウェアが提供することが基本になっているが、SVGなど最初から標準化仕様として作られ、特定のソフトウェアの固有の形式でないフォーマットに関しては、「置いてきぼり」を食らうことが多い。
標準化団体にマイクロソフトが入っていると、Windowsに標準搭載されることが多いのだが、SVGに関しては、同時期にマイクロソフトやVisio社(当時)がVML(Vector Markup Language)なる仕様を提案し、Internet ExplorerやOfficeに搭載していたこともあって、普及した標準化形式であるのに放置されたままだったのだ。
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