ライカカメラは3月19日、デジタル一眼レフカメラ「ライカS」シリーズの新機種「ライカS3」を発表した。ライカストア、ライカブティックおよびライカ正規特約店にて3月28日より発売する。価格は253万円。
本製品は、撮像素子の画素数が従来機種の3750万画素から6400万画素へと向上。撮像素子には、Sシステム専用に開発した「ライカ プロフォーマット」を採用した。ライカ プロフォーマットはサイズが45×30mmで、従来の35mmカメラの撮像素子と比べると、アスペクト比は3:2と同じで、面積は56%大きくなった。また、画素数は従来機種よりも71%増えた。
ダイナミックレンジが15ストップまで広くなっているほか、最高ISO感度がISO 50000に向上。これにより、さまざまな光の状況に対応しながら、ミドルフォーマットのメリットをフルに活かして撮影できるという。
4K動画撮影に対応し、音声は48kHz/16bitでステレオ録音される。録音レベルは自動または手動で調整可能。音声は内蔵マイクのほか、外部マイクを装着して録音できる。
画像処理エンジンには「LEICA MAESTRO II(ライカ・マエストロ・ツー)」を採用。また、テザー撮影用のソフト「Leica Image Shuttle」により撮影に必要な各種の設定をパソコンからリモート操作できる。インターフェースはUSB 3.0、HDMI、無線LAN機能などを搭載する。
ボディの材質にはマグネシウム、3.0型の液晶モニターのカバーガラスにはゴリラガラス、レンズマウントの材質には耐久性のあるステンレスをそれぞれ採用した。また、ほこりや水滴がカメラ本体の内部に侵入するのを防ぐために、シーリングを随所に施されている。
シャッタースピードや絞り値の設定は、クリックホイール、シャッター速度ダイヤル、ジョイスティックで操作する。背面には液晶モニターと4つのボタンを配置し、自分で機能を割り当てることが可能。
Sレンズでも他のライカのレンズと同様に、将来的な技術の進歩にも対応できるように光学系を設計。Sレンズのラインアップのうち6機種がセントラルシャッターを搭載。フラッシュ同調速度は、フォーカルプレーンシャッターでは1/125秒だが、セントラルシャッターでは最高シャッタースピードと同じ1/1000秒。そのため、特にフラッシュ撮影のための設備が整ったスタジオや屋外などの明るい場所での撮影において、クリエイティブな表現の可能性が大きく広がるという。また、そのようなシーンでは、大型の撮像素子に合わせてSレンズの大きなイメージサークルの効果により、ミドルフォーマット特有の被写界深度を浅くした美しい作画が可能としている。