Office 365/G Suiteのメールに対応、高度な日本語フィルタリングなどで情報漏洩対策を強化
キヤノンMJ「GUARDIANWALL Mailセキュリティ・クラウド」発表
2020年03月24日 10時00分更新
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2020年3月25日、メール経由での情報漏洩を防ぐクラウドサービス「GUARDIANWALL Mailセキュリティ・クラウド」を発表した。マイクロソフト「Office 365」とグーグル「G Suite」のメールサービスと連携し、高度な日本語フィルタリングや添付ファイルの自動暗号化、監査対応のメールアーカイブといった機能を提供し、オンプレミス版からのクラウド移行も容易にする。4月1日より提供開始。
キヤノンMJが開発するGUARDIANWALLは、企業向けの情報漏洩対策ソリューション。オンプレミス版とクラウドサービス版をラインアップしており、現在はメールフィルタリングの「GUARDIANWALL Mailセキュリティ/Mailセキュリティ・クラウド」と、Webフィルタリングの「GUARDIANWALL Webセキュリティ/Webセキュリティ・クラウド」という4つの製品/サービスラインアップに整理/統合されている。Mailセキュリティ・クラウドという名称でリリースされるのは、今回が初めてとなる。
Mailセキュリティ・クラウドは、オフィスSaaSのOffice 365やG Suiteと連携して動作し、メール経由でのユーザー企業からの情報漏洩を防ぐ。具体的には、日本語対応のメールフィルタ機能を提供する「MailFilter on Cloud」、添付ファイルの暗号化や宛先のBcc変換などを行う「MailConvert on Cloud」、送受信されたメールをアーカイブし全文検索や監査を可能にする「MailArchive on Cloud」という3つのサービスがラインアップされている。
MailFilter on Cloudでは、日本語メールにも対応する高度なフィルタリング機能を提供する。また「誰から」「誰へ」「どんなメールを」送信した場合に「どう処理するか」といった詳細なルールを設定することが可能で、たとえば「特定のキーワードを含むメール送信の場合は上司の承認が必要」といったルール設定ができる。
さらに、「Microsoft Office」やPDFなど主要な業務ドキュメント形式に対応した添付ファイルのキーワード検査のほか、ファイルタイプ検査、ファイルパスワード検査、圧縮ファイル展開といった機能も備えており、添付ファイルに「特定のキーワードが含まれる」「メール監査のため禁止しているパスワードがかかっている」などの条件で処理ルールを設定できる。
また「個人情報検査」機能も備えている。これは、同サービス独自の辞書と判定基準に基づいて、メール本文や添付ファイルに個人情報が含まれるかどうかを、総合的な指数としてスコアリングする機能。氏名や住所、電話番号、クレジットカード番号、マイナンバー(個人/法人番号)などを検出し、その件数や項目数、それぞれの情報がリストのように続いているかどうかといった基準に基づいて判定を行う。
メール変換サービスのMailConvert on Cloudでは、送信する添付ファイルの自動Zip暗号化とパスワードメールの自動送信のほか、Bcc欄に入力すべき宛先を誤ってTo欄に入力しているメールの自動Bcc変換などの機能を提供する。
またメールアーカイブサービスのMailArchive on Cloudでは、監査対応に必要となる送受信メールの長期アーカイブ保存や、柔軟な全文検索といった機能を提供する。社外とのメールのやり取りだけでなく、社内メールのやり取りも保存する(ジャーナル)オプションもある。
なおMailFilter on Cloud、MailConvert on Cloudは、管理画面をユーザー企業の管理者に提供し、自社独自の詳細なルール設定ができる「プレミアム」版と、あらかじめ用意されたルールから選択するかたちで簡単に設定できる「ベーシック」版が用意されている(ベーシックは7月からの提供開始予定)。プレミアム版を提供することで、これまでオンプレミス環境で詳細な独自ルールを採用してきた金融機関や公共機関などでのクラウド移行も見込んでいる。
1ユーザーあたりのサービス利用価格(税抜、各プレミアム)は、MailFilter on Cloudが200円、MailConvert on Cloudが200円、MailArchive on Cloudが100円(受信)/150円(送信)などとなっている。プレミアムは最低50ユーザーから、ベーシックは最低10ユーザーから契約が可能。