テスラ(Tesla)とスペース(SpaceX)のCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスクは、自身の企業の人工知能(AI)をはじめとする高度なAIの開発には規制がかけられるべきだと語った。マスクCEOは、自身が共同設立して後に離れることとなった「オープンAI(OpenAI)」に関してMITテクノロジーレビューが最近発表した記事(リンク先は米国版、日本版は翻訳中)に対する返答としてその発言をツイートした。
同記事では、オープンAIがいかにして、AIを安全かつ公正に発展させるという当初の目的から外れて、秘密主義的で資金調達しか頭にない団体に変質してしまったかが述べられている。AIを各国の政府が規制すべきなのか、あるいはたとえば国連といった世界規模で管理すべきかを問われたマスクCEOは、「両方です」と答えた。
欧州連合(EU)は2月19日、「リスクの高い」AIシステムを規制する計画を発表した。2020年末には新たな法案が出て来る予定だ。昨年には42カ国が、AIを規制するための措置を講じる協約に署名した。しかしながら米国と中国はAI分野において現在、規制と安全性の懸念よりも、イノベーションと覇権の掌握に重きを置いているようだ。
マスクCEOが、AIの発展による負の側面について発言するのは今回が初めてではない。彼は以前、AIは「実存する最大の脅威」であり、潜在的には核兵器よりも危険であると述べた。2018年にマスクCEOはリコード(Recode)に対し、各政府の委員会は1~2年かけて「AIに関する知見を得て」、AIが安全に開発され利用されるための規制を練り上げるべきだとの所見を伝えた。