エレコムは2月14日、京都大学と立命館大学が共同で開発する「新生児蘇生法訓練用シミュレーター」への参画を発表。本研究成果のデバイスの開発・製造を手がけることで、実用化を目指すとしている。
新生児蘇生法訓練用シミュレーターは、胸壁に当てたときにのみ心音を再生する「IoT聴診器」を使用する。タブレットを疑似的なパルスオキシメーターモニターとしてバイタルを表示し、IoT聴診器と連動させることで、指導者がシミュレーションシナリオ進行の状況に合わせて手軽に操作できる。これらの機器はすべて専用のスマホアプリで無線操作が可能だ。
本シミュレーター開発の背景として同社が挙げているのが、新生児蘇生技術の教育機会の不足だ。出産直後に呼吸・循環が不安定で仮死状態となる新生児が全体の15%程度存在するため、新生児蘇生術を習得した医療従事者が出産の場に立ち会うことが求められているが、現実には産科診療所のような施設でも簡便に反復利用可能な教育資源・設備は十分に広く整備されておらず、教育機会および教育資源の不足が大きな課題とされてきた。
本取り組みでは、インターネット接続で中核病院や専門施設にいる指導者が、地域の診療所や諸外国の学習者に向けて遠隔講習を実施することが可能になるため、指導者や医療従事者の負担が軽減されるとしている。