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サービス連携の価値を披露したTwilioビジネスセミナーレポート

Box、SendGrid、Twilioが連携すると、どんなDXを実現できるのか?

2019年12月23日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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ブランドと顧客をつなぐメールを配信するSendGrid

 続いて登壇したのは「SendGrid」を国内で展開している構造計画研究所の中井勘介氏。SendGridのエバンジェリストを務める中井氏は、マーケティング施策としてのメールの重要性とBox連携のデモを披露した。

構造計画研究所 SendGridエバンジェリスト 中井勘介氏

 SendGridは、高い到達性、スケール、専門性の高さを売りにするクラウド型メール配信サービス。特にスケーラビリティは大きなポイントとなっており、年間でのメール配信は600億通に上る。「ブラックフライデーだと41億通、サイバーマンデー42億通の規模を配信したが、SendGridの場合、リクエストを受けてから宛先のサーバーに届くまでに1.9秒しかかかっていない」(中井氏)という。日本では中井氏の所属する構造計画研究所が総販売代理店を務めており、6年前から日本語対応やサポート、日本円決済などを提供している。

 SendGridはTwilioによって2019年2月に買収されている。実は両社は成り立ちが似ており、SendGridはメール配信の面倒な部分を解消するため、3人の開発者が10年前に創業。一方のTwilioはモバイルコミュニケーションを簡単にアプリに組み込めるよう、同じく3人の開発者が11年に創業しており、両社が統合されることで、あらゆるチャンネルを網羅したデジタルコミュニケーションプラットフォームになったという。

マルチチャンネルでスケールを実現するTwilioとSendGrid

 DXというテーマにも関わらず、「メールは古い」「ネガティブなイメージ」「コミュニケーションはチャットに」というイメージはある。しかし、中井氏は、「むしろ進化を続け、用途が変化している。人と人とのコミュニケーションというより、ブランドやサービスとお客様のコミュニケーションに使われている」と指摘する。67億というアカウント数はおそらくデジタルIDとしては最大だし、非常に高いROIがあるという。また、うまく活用した例では投資に対して最大42倍のリターンがあるという。「B2Bマーケターの59%はメールは有効だと答えている」(中井氏)

 実際、米国でのSendGridの調査では世代を問わずコミュニケーションツールとしてメールを好むという結果が出ている。日本でも同じような傾向があり、アドビの調査ではブランド企業からのオファー手段としてはメールが圧倒的に人気だという。また、同じ調査ではこの状況が2年後も変わらないと答えている人は8割に達する。

メール配信の効果を上げるハイパーパーソナライゼーションとBox連携

 メールを「ブランドとお客様とのコミュニケーションツール」ととらえた場合、一番重要になるのは「ハイパーパーソナライゼーション」だという。「個人的な意見だが、パーソナライズがきちんとできていないからメールが忌み嫌われているような気がする」と中井氏が指摘するとおり、件名がパーソナライズされたタイトルのメールは開封率も41%上がるという。

パーソナライズされたメールは開封率も高い

 とはいえ、単なるパーソナライズではなく、ハイパーが付くからにはもっとディープだ。たとえば、AmazonのEchoシリーズは商品が到着した瞬間にウェルカムメールが届くようになっている。オンラインとオフライン、物流を連携したAmazonならではのパーソナライズだ。また、毎月10億通を配信しているeBayは、メールを開封するタイミングでコンテンツをレンダリングし、最新のデータでパーソナライズされて届けられるという。

 中井氏は、「読まれるタイミングをパーソナライズしたことで、配信頻度を下げたにも関わらず、開封率やコンバージョンは大幅に改善しました」と指摘する。単に送信数を上げるのではなく、適切なコンテンツを適切なオーディエンスへ、適切なタイミングとチャネルで届けることが重要。

 その点、SendGridでは大量送信や高い到達率を実現するだけでなく、開封率やクリック率、返信率、購読などの指標を測定できる。連携先であるBoxもメールの機能が豊富だが、SendGridと組み合わせることでさまざまなメリットを得られる。たとえばBoxの共有リンクをSendGridで送れば、即時送信できるほか、ファイルサイズの影響が受けずに済む。もちろん、誰がいつ開封するか、資料にアクセスしたかも確認できるので、エンゲージメントに応じたフォローが可能だ。もちろん、誤った内容であれば、Boxの共有リンクを無効にすればOKだ。

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