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4K・HDRで蘇った『ウルトラQ』の映像は刮目の出来栄え

2019年11月20日 15時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●ASCII

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第13話「ガラダマ」(1966年3月27日)より
「ガラダマ(隕石)が熊谷ダムに落下するシーン」

波頭が非常に際立っており、解像度の高さを感じさせる。

 4K・HDRは波の描写が圧倒的にハイリアリティ。2K・SDRでは階調感があまりなく、全体的にふわっとした甘い調子だが、4K・HDRでは波頭の反射感、水の勢いなどのディテールが、ひじょうにしっかりと再現されている。空を見ると太陽が2K・SDRでは虚ろに光っているだけだが、4K・HDRでは明瞭な光の輪を持つことが分かる。

同じく、「ダムの決壊シーン」

水の勢いまで違うようだ。

 2K・SDRはコントラストが浅く、階調も甘い。水の勢い感が弱く見える。4K・HDRはダイナミックレンジが広く、白ピークが再現され、かつ黒の締まりも良く、階調も豊富なので、巨大な水流がいかに勢いよくダムを壊してるかが分かる。水の輪郭が透明なのは、まさにHDR化の効用。遠景の雪を抱いた山の情報も明瞭である。

発電所が大量の水流に押しつぶされるシーン

 発電所が大量の水流に押し潰されるシーン。2K・SDRでは水のディテールが甘くピークも立たないので、水が襲っているのだが、その恐ろしさは今ひとつ分からない。ところが4K・HDRでは水の反射のピークが鋭く、水の勢いがディテールまでハッキリ見えるので、迫力満点。発電所の柱の金属部分の光り方がまったく違う。2K・SDRは鈍い。4K・HDRはひじょうにクリアにメタル感が出る。

同じく、「万城目淳と一の谷博士」

 2K・SDRと4K・HDRでは人物描写の様子かなり違う。2K・SDRではコントラストが甘く、階調の数が少ないので顔がフラットになる。凹凸や陰影が出てこない。ところが4K・HDRではコントラストがしっかりとして、なおかつ階調の数も多いので、人物のディテールまではっきり描写されている。顔の丸み感が、影の沈みとハイライトの明るさの差分にて表現されている。

人物のほほや髪の表現に注目だ。

 その髪の毛だが、2K・SDRでは階調とコントラストが少なく、のっぺりとしている。4Kでは白髪の中にもきちんと黒の階調感があり、立体的に見える。頬にもシャドウが付与され、頬の盛り感にもつながる。眼鏡に反射する陽光との対比が、4K・HDRで初めて出た。

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