kintoneの可能性を拡げる魂の戦いが今年も戻ってきた
VRや社内RPG、オタク対応まで熱いLT満載だったkintone hack NIGHT
2019年11月08日 17時30分更新
アイドルオタクに愛してもらえるkintoneを作った築山春木さん
実はここまでは1番手の佐山 ウィリアム 明裕さんがずっとトップをキープ。勝負は最後のアールスリーインスティテュート 築山春木さんの双肩にかかることになった。鈴木愛理ちゃんの自作Tシャツをまとい、気合い十分で入場した築山さんは、「アイドルオタクがkintoneで仕事を楽しくしてみた」というテーマで(防人でありながら)最後の戦いに挑む。
築山さんのLTはアイドルオタクの市場規模からスタートする。国内のいわゆるオタク市場は2400億円で、そのうちアイドルオタク280万人。年間平均で10万円以上は使っているという(2018年 矢野総合研究所調べ)。つまり、このアイドルオタクたちがkintoneを使ったら、市場は大きく広がるというのが築山さんの持論だ。
しかし、kintoneの認知度は低い。アイドルオタク仲間に聞いたところ、知っている人は2割で、使っている人は1人もいなかった。この現状を知った築山さんは「アイドルオタクに推されるkintoneを考える必要がある」と力説。まずは7月にリリースされたポータルカスタマイズで、kintoneを愛理ちゃん色に染めてみた。やり方も簡単で「kintone Portal Designer」でデザインと素材を選択すれば、自動的にJavaScriptを生成してくれるのだ。
しかし、これだとkintone全体のカスタマイズになってしまうという問題がある。「オタクにもいろいろな種類がいて、いろいろな派閥があるんです。せっかくkintone入れたのにチームワーク崩壊です。全然だめです」と築山さんは指摘する。そこで、チームワークあふれるポータルのためにさまざまなポータルを用意し、グループ(ロール)を作成。さらにアールスリーのGusuku Customineを使うことで、ログインユーザーごとに表示するポータルを変えるようにした。しかも、推しの変更に対応すべく、ポータルの変更申請アプリを作り、DataSpiderを介して、cybozu.comのユーザー管理と連携させた。これにより上司の承認を得て、所属グループを変更し、推しの変更にともなうポータル変更が可能になった。
ここまでが予選会での内容だが、築山さんはさらに作り込んできた。前提として約2700万人というオタクの人数を考えると、実は15~64歳の1/3がオタクになる計算だ。しかし、会社ではオタクとばれたくないため、実はポータルは使われないという課題があった。そのため、築山さんはシークレットモードを作成し、上司に内緒でポータルを変更することを可能にした。鈴木愛理ちゃんの生年月日がパスワードにすれば、もはや管理者でもアクセス不可。しかも背後からのぞかれてもオタバレしないよう、一瞬で通常ポータルに変更できる機能まで作った。まさに完璧だ。「オタクも喜んでkintoneを使っていただけるので、ぜひみなさんも使ってもらいたい」と語って、6分間に詰め込んだセッションを終えた。
魂のLTが終了した6人が再び登壇して、結果発表になった。優勝はまさかの築山さんの大逆転!「アイドルオタク」というテーマ一点突破で完成度を高めてきた結果と言えるだろう。「実は私は営業職。エンジニアではない鈴木さんが出たのを見て、私も出ることにした。エンジニア以外の人ももっと出てほしい」とエールを送り、今年もハイレベルなLT大会は終了した。