上坂「タイガー・ジェット・シンと上田馬之助が好き」
嶋田「その名前がココで出てくるとは!」
そして話は好きなプロレスラーの話題に。上坂さんは「タイガー・ジェット・シンです」と即答すると「みんなが肉弾戦で戦っているのにサーベルを持って、なんて悪い奴なんだろと思ったら、経営の才能もあって皆さんを愉しませる才能に溢れているなぁと。上田馬之助さんとのコンビも、一目で悪い奴だと思えるオーラがとっても好きですね」とヒール好きをアピール。
嶋田先生も「まさかタイガー・ジェット・シンとか馬之助の名前が出てくるとは」と驚きの表情。さらに実際のプロレスラーを参考にしていたのかという話になると嶋田先生は「プロレスの人気が上がり始めた時とキン肉マンが丁度重なっていて。アブドーラとかのヒールが好きですね。あとテリー・ファンクですよね」と話を進めると「キン肉マンの中でプロレス物を描くと人気が一気に上がったんですよ。最初は怪獣と戦うという内容だったんですけれど、だったらプロレス漫画にシフトしようと決めたんです」と思わぬ話も。
これには上坂さんもビックリで「普通なら一回連載を終えますよね。でもキン肉マンを使って内容を変えてしまうという。週刊ならではですよね。読者の反応を見てどんどん内容を変えてしまうのですね」と感心した様子。
40年続いた秘訣は相方との友情パワー
今年40周年を迎えたキン肉マンであるが、どうしてここまで続いたのだろう。嶋田先生は「相方の中井(中井義則先生)とは小学校の頃からの付き合いで。苦しい時も励ましあいながらやってきました」と友情パワーであることが秘訣と語る。嶋田先生は「40年ってホントに早く感じます。ついこの間、18歳でデビューしたような、気が付いたら40年経っていましたね。1話描いてもすぐに締め切りですし、それにある程度ストックを作っておかないといけませんからね」というと上坂さんは「私の生まれる前からですからね……。週刊で描かれているから、あっという間だったんでしょうね」と感心した様子。
そんなキン肉マンの50周年に向けた目標について嶋田先生は「体力が続く限り描いていきたいですね。あとアニメ化をもう一度したいですね」と言うと会場からは割れんばかりの拍手と歓声が。「でも女性の超人って少ないですよね」と上坂さん。でも「実現したら、何か考えてぜひ!」と嶋田先生からオファーが。
ちなみにアニメ化された際、嶋田先生は連載で忙しい中、台本のチェックとかはしていたものの、キャラクターは任せていたとか。それゆえ「気が付いたら、ロビンマスクが青になっていたり、さらにキン肉マンのパンツが赤くなったりして」と裏話を披露。上坂さんも「最初の頃、キン肉マンの頭だけ緑だったんですよね」と展示されていた原作のカラーイラストについて触れると「あれは初代の担当編集者であるアデランス中野和雄さんが“君たちは18歳で色原稿が描けないだろうから”ということでイラストレーターさんに描かせたんですよ。そしたらイラストレーターさんが勝手に緑色にして」と返して会場は大爆笑。
上坂さんは「チェックとかなかったんですか? え? ノーチェック!?」と驚きの声を挙げる。上坂さんから「ウォーズマンが主役になる話が読みたいです。不意打ちをかけられたりして、やられちゃうんじゃなくて、正々堂々と超人と戦って勝つエピソードが見たいですね」と要望が。嶋田先生は「わかりました……」と、今後のウォーズマンの活躍に目が離せそうにない。
こうして時間を大幅にオーバーしてトークイベントは終了。上坂さんのあまりのガチぶりに嶋田先生も場内も常に笑いの渦であった。
上坂すみれが語る原画展の見どころ
イベント後、筆者公認の「キン肉マン女子部」の部長となった上坂さんに原画展の見どころについて尋ねたところ「デジタル作画が多い中、今でも生で原稿を描かれているというのは凄いと思います。そして漫画で読んでいて感動したりしたシーンが凄く多く展示されていた印象でした。中でもソルジャーさんが、服をドラム缶に入ったペンキにつけて、牧師の服を完成するシーンが好きで(笑)。そこでセリフが鉛筆で原稿用紙の外に書いてあって。絵とか描いていてもそうやって描いたことがなかったので、こういうふうに原稿用紙で作るんだと、すごく刺激的だし、絵を描かれている方にも参考になるんじゃないかなと思いました」
「そして東京会場限定の原画もあって貴重だなと思いました。テリーマンの帽子とか、等身大のキン肉マンフィギュアなど貴重なグッズとかいっぱいありますし、原画はもちろんのこと、先生の歩みがあって、ちょっとしたミュージアムといいますか、期間限定なのがもったいないくらいですね」と語った。ちなみに上坂さんは学研の超人図鑑を購入したそうだ。
「キン肉マン 友情の40周年展」の会場では、肉フェスも併催されており、キン肉マンとのコラボ弁当も登場した。こちらも嶋田先生監修とのことなので、味はもちろん世界観もお墨付き。身も心もキン肉マンに浸れる原画展は、東京のあとは名古屋で11月23日から12月8日まで開催されるので、お見逃しなく!