さとうなおきの「週刊アジュール」 第120回
Azure Data FactoryのマッピングデータフローがGAに
新サービス「Azure Spring Cloud」がプライベートプレビューに
2019年10月28日 08時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2019年10月6日~2019年10月12日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Storage:暗号化のカスタマー指定キー
ストレージサービス「Azure Storage」の保存データの暗号化では、これまで、暗号化キーとして、次の2つをサポートしていました。
- Microsoftマネージドキー
- カスタマーマネージドキー(キーは、Azure Key Vaultに格納)
Azure Key Vaultは、暗号化キーやパスワードなどを格納して管理するサービスです。
今回、第3のオプションとして、「カスタマー指定キー」(Customer-provided key、CPK)がプレビューになりました。
カスタマー指定キーは、Azure Blob Storageのみをサポートしており、暗号化キーをオンプレミスや、Azure Key Vault以外のキーストアに格納することができます。
Azure DNS:プライベートゾーン
Azure DNSは、DNSドメインのホスティングサービスです。
Azure DNSのプライベートゾーン(プライベートDNS)は、仮想ネットワーク内の名前解決をサポートします。
2018年3月に、プライベートゾーンのパブリックプレビューが始まっており、6月にはプレビューがアップデートされていました。
今回、Azure DNSのプライベートゾーンが、GA(一般提供)になりました。Azure DNSは100%のSLAを提供しているので、Azure DNSのプライベートゾーンも、100%のSLAの対象になります。
Azure Resource Manager:Azure Resource Graphでのリソースプロパティの変更追跡
Azure Resource Manager(ARM)は、Azure上のリソースのデプロイや管理のためのレイヤーです。
Azure Resource Graphは、Azure Portal、Azure CLI、Azure PowerShellで、Azureリソースをクエリする機能です。
7月にGAになっていたAzure Resource Graphで、Azureリソースのプロパティの変更を追跡できるようになりました。
Azure Monitor/Azure Sentinel:データの種類別のリテンション期間
Azure Monitorは、Azureにおけるフルスタックの監視サービスです。
Azure Monitorの一機能であるAzure Monitor Logs(旧称Azure Log Analytics)は、Azureやオンプレミス環境のリソースのログを収集、分析するサービスです。
Azure Sentinelは、クラウドネイティブのセキュリティ情報イベント管理(SIEM)プラットフォームです。
Azure Monitor Logs、Azure Sentinelで、これまでサポートされていたワークスペース全体でのデータリテンション期間の設定に加えて、データの種類別のデータリテンション期間の設定がサポートされました。
- 更新情報「Azure Monitor Log Analytics のリテンション期間をデータの種類別に構成可能に」
- ブログポスト「New: Per data type retention is now available for Azure Sentinel」
Azure Spring Cloud:プライベートプレビュー
新サービス「Azure Spring Cloud」が発表され、プライベートプレビューが始まりました。年内に、パブリックプレビューが始まる予定です。
Azure Spring Cloudは、MicrosoftとPivotalが共同で構築、運用する、フルマネージドのSpring Cloudサービスです。Spring Cloudは、包括的な監視と診断、構成管理、サービス検出、CI/CD統合、ブルー/グリーンデプロイなどを使用して、ライフサイクル管理を提供します。
Azure Spring Cloudでは、Spring Bootベースのマイクロサービスアプリケーションを、コードの変更なしで簡単にAzureにデプロイできます。Azure Spring Cloudを使用すると、Spring Cloudアプリケーションのライフサイクルが管理されるため、開発者はコードに集中できます。
Azure Spring Cloudの内部では、マネージドKubernetesサービスのAzure Kubernetes Service (AKS)が使われています。
- 更新情報「プライベート プレビュー - Azure Spring Cloud サービス」
- ブログポスト「Azure Spring Cloud のご紹介 - Spring Boot マイクロサービス向けフル マネージド サービス」
- ブログポスト「Azure Spring Cloud: A New Way to Run Spring Boot Apps Atop Kubernetes」
Azure API Management:10月のアップデート
Azure API Managementは、既存のAPIに対するAPIゲートウェイのサービスです。
9月のアップデートに続いて、Azure API Managementの10月のアップデートがリリースされました。Authentication-managed-identityポリシーでのclientIdフィールドのサポートなどの新機能があります。
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