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「APS-Cの完成形」キヤノン・EOS 90DでSUPER GTを撮る

2019年10月19日 12時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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ブレーキローターやバックファイヤーの瞬間を狙う!

 あたりはみるみるうちに暗くなり、さらに雨脚も強くなってきたので一度場所を離れ、屋根のある場所でファインダーに付いた水滴を拭き取ることに。あわせてレンズをEF70-200mm F2.8L IS II USMへと交換して馬の背コーナーへ。赤熱化したブレーキローターや、排気管から見えるバックファイアーが見られるのではないかと期待して撮影に挑みます。

 このポイントは、フェンスが高いので脚立などが必要になりますし、SPスタンドやパドックからかなり歩くので大変ですが、SUGOを訪れた際は「馬の背」の侵入の撮影に挑戦してください。

ポイントリーダーで迎えたWAKO'S 4CR LC500。レクサス勢はブレーキローターにカバーがされているため、赤熱化したローターを撮ることができないものの、わずかに赤く光っているのがわかる。シャッタースピードは1/200、絞りはF5.6、感度は800

日産勢は排気管が横についているため、暗い場所でも見られる。場所とタイミングが合えば、炎が上がるところも撮影可能だ。シャッタースピードは1/200、絞りはF5.6、感度は800

ホンダ勢なら赤熱化したローターの撮影が可能だ。シャッタースピードは1/200、絞りはF5.6、感度は800

GT500クラスほど赤熱化はしないが、GT300クラスのブレーキローターも赤くなる

 次は急減速しながら右へ曲がる車を追ってみたいと思います。カメラの設定は、スポット1点AFで、露出モードはマニュアル、シャッタースピードは1/200、絞りはF5.6、感度は800という設定で、75~100mmまでズームリングを回しながら撮影しています。

 ズームレンズを回しながらの撮影は確実にピンぼけの要因になるのでオススメはできませんが、今回は意地悪をして試してみました。

1コマ目

2コマ目

3コマ目

4コマ目

5コマ目

6コマ目

7コマ目

8コマ目

9コマ目

10コマ目

11コマ目

12コマ目

13コマ目

14コマ目

15コマ目

16コマ目

17コマ目

18コマ目

19コマ目

20コマ目

21コマ目

 ズームリングを回している所は明らかにAFの合焦はしないのですが、その次のコマでは喰らいついていたのは立派です。この撮影では中央のスポット1点AFですが、ローター狙いなら測距点を右下側に配置するのがベストアンサー。排気管狙いならより望遠のレンズで11コマ目から連射をかけていくのがよいかと思います。

ブレーキローター狙いで、かつテールランプも抑えるという例。真横もカッコいいのですが、やや後ろから狙うのも素敵です

 ある程度撮影したところで、セーフティーカーが導入されてレースが一旦中断したので場所を移動。さらに雨も強くなってきたので、装備をサンニッパを取り付けたEOS 90Dだけで、3コーナーアウト側へ。より一層、周囲は暗くなり、濡れたファインダーにレンズを通した車のヘッドライトが入ると、光芒が出てまったく見えない状況に。よってスポット1点AFでの撮影を諦め、ゾーンAFに変更。カメラ任せで撮ることにします。

3コーナーのアウト側から雨女のミクさんを撮影。EOS 90D+EF300mm F2.8L IS II USM/ISO800/1/400/F5.6/Mモード

より3コーナー側に近づいて2番手争いのMOTUL AUTECH GT-RとEPSON Modulo NSX-GTの争いを撮影。EOS 90D+EF300mm F2.8L IS II USM/ISO800/1/400/F5.6/Mモード

 これが大正解で、以前とアルゴリズムが違うのか、結構ガチっとピントが合っています。ゾーンAFモードは昔EOS 7D Mark IIで使ったことはあったのですが、面で捉えるためガチっとしたピントを得ることは難しい印象で、それゆえスポット1点AFを使うようになった身としてはうれしい限り。ゾーンAFでしたら「枠がデカいから簡単に撮れる」というわけです。試してはいないのですが、45点自動選択AFでもガンガン撮れるのではないか? という期待も膨らんでしまいます。

2コーナーのアウト側からPACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHEを撮影。このような強い逆光が入ってもピントが合焦し、ミライアカリのイラストがきちんと判別できた。EOS90D+EF300mm F2.8L IS II USM/ISO800/1/400/F5.6/Mモード

 さらに驚いたのは、強いライトの光が入ってもAFが迷うことなく追従すること。EOS 7D Mark IIでは時々AFが迷っていただけに、これはありがたい改良です。カメラ任せで印象的な写真が簡単に撮れてしまうEOS 90D、実に恐ろしい一台です。

ゾーンAFを左側に寄せてハイポイントコーナーに侵入するHOPPY 86 MCと、4灯ライトが印象的なトップの CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rを撮影。EOS 90D+EF300mm F2.8L IS II USM/ISO800/1/400/F5.6/Mモード

SUGO戦を制したクラフトスポーツGT-R。EOS90D+EF300mm F2.8L IS II USM/ISO800/1/400/F5.6/Mモード

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