NAS向けの性能をデスクトップPCで使う
今回、「IronWolf 110 SSD」の960GB高耐久モデルを使ってみた。NAS向け製品ではあるが、あえてデスクトップPCに導入する。先述の通り、パソコンでの利用も書き換え頻度は高いため、より耐久性の高いSSDを利用したほうがデータを損失する可能性が低くなり、安心して作業できるようになる。特に仕事で利用しているマシンなら、バックアップも大切だが、安心・安全、そして快適性のためにもお金をかけていい製品を導入すべきである。
早速、SATA3接続でデスクトップPC(自作PC)へ導入してみた。マシンのスペックは以下の通りだ。
まずは、定番のストレージの性能を測る「CrystalDiskMark 6.0.2」でテストしてみた。結果は、シーケンシャルリードで562MB/s、シーケンシャルライトで535MB/sというSATA3接続としては最速の部類になる性能を示した。
さらに同じ製品2基使い、WindowsのRAID設定でRAID0を組んでみて、同様に性能を測ってみた。結果は、それぞれ2倍弱の性能を示しており、より速度を求めるならこのような使い方もいいだろう。もちろん、より安全を求めてRAID1(ミラーリング)などで組むのもいい。NAS向けなのでRAIDも考慮された仕様になっているので、一般向けSSDより安心して利用できる。
もう1つ、データ転送の時間も計測してみた。比較対象として、Barracuda HDDの4TBモデルも計測している。転送するファイルは、約60MBのRAWデータの写真76枚、計約1.8GBと4K動画のmp4ファィル約2.75GBの2種類。書き込みと読み出しを、それぞれファイルをコピー開始して終了するまでストップウォッチを利用して手動計測。3回計測して平均値を取っている。
結果は、RAWデータの写真がRAID0だと2秒台、単体でも4秒台を記録。HDDが11秒以上かかっているので、3倍弱速いことになる。4K動画のファイルもHDDだと23秒台のところRAID0で3秒台、単体で5秒台と4倍強速いという結果に。読み出しだとさらに差が開いている。
SSDは読み書き速いもののHDDとは違い記録が磁性体ではないため、故障したときのリカバリーが不安だ。そんな不安を払拭するためにも、「IronWolf 110 SSD」のような高耐久な製品を選びたい。しかもRescueデータ・リカバリ・サービス・プランが2年も標準でついてくるので万が一のときも安心だ。
今回はデスクトップPCへの導入の話をしたが、もちろん本来のNASで利用するのもいい。HDDの代わりにSSDで組んでもいいし、キャッシュ用としてSSDを利用する製品もあるので、そういった製品に導入するといいだろう。NASの場合は、IronWolf Health Management (IHM)に対応した製品なら、S.M.A.R.T.より詳細なドライブ診断が可能となり、故障する前にドライブを交換するなどの対応ができる。備えあれば憂いなし。データを損失しないために早めの対策が打てる。HDD版ではあるが、以前IHMの機能について紹介した記事がある。同等の機能なので、ぜひ参考にしてほしい。
「IronWolf 110 SSD」の960GB高耐久モデルは、実売価格3万6000円前後。データを損失したくない、安心・安全を求めるなら導入を検討すべき。特にクリエイティブな作業をする人には、作業領域用として活用してほしい。
(提供:日本シーゲイト)