ファストカンパニー(Fast Company)の報道によると、アマゾンは9月12日、米国で「アレクサ・アンサーズ(アレクサが回答します)」プログラムの開始を発表した。
「アレクサ・アンサーズ」では、アマゾンの音声アシスタント・ソフトウェアであるアレクサ(Alexa)がユーザーに尋ねられた質問のうち、まだ回答できていない質問について、誰でも回答できるようになっている。たとえば、「ミュージシャンのスティービー・ワンダーは楽器をいくつ演奏するか」といった質問だ。アレクサ・アンサーズは内部テストを経て、非公式ベータ版が昨年、数千人の顧客の協力を得て試験運用された。アマゾンは正常な運用を維持するための措置をいくつか実施しているものの、基本的には、基本的な賛成票・反対票のシステムによって質の悪い回答は除外できるだろうと楽観視している。
アレクサ・アンサーズの会員は誰でも、アレクサが未回答の質問をこちらで探して回答できる。その後、誰かがすでに回答済みの質問をアレクサに尋ねると、アレクサはその回答を述べるとともに、「これはアマゾンのカスタマーによる情報です」とつけ加える。
しかし、ここ数年の大手テック企業の動向に注意を払っている人であれば、こうしたプラットフォームが、とりわけ組織的な荒らしやたちの悪い参加者によって、不正利用される可能性は容易に想像できるだろう。人を不快にさせる回答や不正確な回答が「アマゾン・アンサーズ」に(悪意がない人からさえも)寄せられることはほぼ確実と言っていい。
アマゾンによると、正常な運用を維持するために、機械学習を利用するとともに、自動フィルターによって他人を不快にさせる言葉を除去する措置をとるという。アマゾンでアレクサ・インフォメーション部門を担当するビル・バートン副社長は、ファスト・カンパニーに対し、担当チームが「政治的な色彩のある質問」を除外するつもりであると述べた。だが要するに、アマゾンはレディットで用いているような賛成票・反対票システムによってユーザーの最悪の衝動を監視できるだろうと期待している。それは著しく楽観的なアプローチであり、基本的な事実についてさえ合意できないことがしばしばある米国においてはなおさらであろう。