タイピング感にこだわったワイヤレスモデル
PCとのワイヤレス接続にはBluetooth Low Energy(BLE)を使って直接つなぐか、または本体に付属する2.4GHzデジタル無線接続のUSBドングル「Unifying」を使用する。ロジクールではUnifyingを使った方が接続の安定性がより高まるとして、その使用を推奨している。ワイヤレスの動作可能範囲は見通し距離約10mが目安。本体の各種設定を行うために必要な「Logicool Options」アプリケーションの動作環境はWindows 7、macOS 10.11以降、Linuxになる。
外形寸法は幅430.2×奥行き131.63×高さ20.5mm。質量は約810g。CRAFTに比べると本体は高さと奥行き方向が少しコンパクトになった。質量については約150gも軽量化されている。
キーボードの構造はシザースイッチ方式。「押下圧を60gに最適化して、長時間のタイピング時が疲れにくく、心地よさが継続するように使用感を高めた」とヒルデブラン氏が話す。メインキーは中央をすり鉢状に象って、キーを叩く指に心地よいフィット感を返す。キーのエッジに丸みを付けたことで、どこを叩いても指先に均等なフィードバックが得られる。さらに全キーの表面に滑りにくいよう、つや消しコーティングをかけた。この辺りのタイピング感のチューニングはCRAFTから大きく変えていない。
ヒルデブラン氏はさらにもうひとつ「多くのユーザーが頻繁に使用するキーと、比較的頻度が下がるファンクションキーではストロークの深さを変えてタイピング感にメリハリを付けたこと」がこだわりだと説いた。
キーの見やすさを損なわず、電力も抑えたLEDバックライト
MX KEYSはタイピングの快適さを追求したことによって「約6~8時間のタイピングを続けても心地よいワイヤレスキーボード」であるとヒルデブラン氏が胸を張る。MX KEYS、CRAFTの本体に高さと横幅を揃えたシリコン製のパームレスト「MX PALM REST」も別途販売される。価格はオープンだが、2000円前後になる見込みだ。接地側に粘着性を高めるための滑り止め加工を加えて、反対側の手のひらに触れる表面はスムーズな手触りにこだわった。
新製品のMX KEYSはバックライトの仕様に大きくメスを入れている。最大の進化点は、キーボードを使っている周辺環境の明るさを検知して、LEDバックライトの点灯を最適化する省電力機能だ。もちろんキーの視認性を高めることにもぬかりはない。
この「スマートイルミネーション」と名付けられた機能をさらに深掘りしよう。キーボードの本体には近接センサーが搭載されている。キーから手を話して数秒が経つと“タイピングに使用していない”と判定され、バックライトが自動的に消える。再びキーボードに手を数センチ間の距離まで寄せると即座に点灯する仕組みだ。ただし、ここまでの機能であればCRAFTにも搭載されていた。肝心なのは明るさセンサーにより、段階的にバックライトの点灯の強弱がコントロールできる機能が追加されたことだ。
明るさセンサーはキーボード本体の表側右上に配置されている。その振る舞い方についてはヒルデブラン氏に訊ねてみよう。
「明るさセンサーは周囲の環境光が200ルクス以上の場合は、バックライト点灯する必要がないとみなしてオフにして無用な電力消費を省くようにした。100~200ルクスの環境光の場合はバックライトを強く点灯させる『High』に設定される。100ルクス以下の暗い環境の場合は明るさを抑えても視認性が得られるため『Low』に切り替わる。」
MX KEYSのキーをよく見てみると、バックライトの透過性を高めるため各キーに配置されている文字色が「グレーと白の50%ずつ」の色合いに調整されている。ちなみにCRAFTは「白100%」だった。LEDユニットはキーボード本体上側に10個を配置して、導光板で全体に拡散する構造としている。
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