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事業継承策としてのM&Aが増加する中小企業層向けの新機能「コラボリンク」を搭載

NIコンサルティング、グループウェア新製品「NI Collabo 360」発表

2019年09月10日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NIコンサルティングは2019年9月9日、グループウェアの新製品「NI Collabo 360(エヌアイ・コラボ・スリーシックスティ)」を発表した。中堅中小企業における事業継承策としてのM&Aが増加していることを背景に、M&A後の企業間やグループ企業内での情報連携を容易にするという新たなコンセプトを掲げて従来製品から改称し、価格も1ユーザーあたり月額360円(税抜、クラウドサービス版)に引き下げた。10月1日より提供を開始する。

グループウェア新製品「NI Collabo 360」では、新コンセプトに対応する「コラボリンク機能」を追加した

NIコンサルティング 代表取締役の長尾一洋氏

同社 創発本部 NPC課 課長の赤松志彬(もとあき)氏

 NIコンサルティングは国内中堅中小企業を主要顧客層とする経営コンサルティング企業。企業と個人の新たなパートナー関係を軸に据えた「NI経営(Network Identity)」をコンセプトに掲げたコンサルティングを実践しており、それを実現するためのITツールとしてSFA、CRM、グループウェアといったソフトウェア群(「可視化経営システム」)の提供も行っている。ソフトウェア群の累計導入社数は6000社。

 今回発表されたNI Collabo 360は、この可視化経営システムの主軸をなすグループウェア製品。従来は「NI Collabo Smart」として提供してきたが、製品コンセプトの拡充と新機能追加に伴って改称している。月額型ライセンスのクラウドサービス版と、買い切り型ライセンスのパッケージソフトウェア版をラインアップする。

 NI Collabo 360では“統合型グループウェア”を掲げ、一般的には別システムの専用製品として提供されることの多いワークフロー、経費精算、安否確認といった機能も備えるのが特徴。トータルで30の機能を提供しており、さらに同社の営業支援システム(SFA/CRM)や、他社製の会計/勤怠システムとの密に連携することもコンセプトとしている。

NI Collabo 360の特徴。ワークフローや経費精算の機能も統合して提供する一方、他システムとの密連携も実現する

 さらに、拡充された新たなコンセプトに基づく「コラボリンク機能」を搭載している。これはNI Collabo 360を導入している企業間で、シングルサインオンとデータ連携ができる機能だ。

 同社代表取締役の長尾氏、創発本部の赤松氏は、中小企業層においては後継者不足が深刻化しており、事業継承のための解決策としての企業買収(M&A)が加速している現状を指摘。しかし異なる企業組織どうしが合併し、従来どおり業務をスムーズに進めていくためには「素早く正確な情報共有」と「業務ルールの共有・実行」が必要となる。

 そこで今回、M&A当事社どうしの独立性やセキュリティを担保しつつ、相手方の必要な人とは十分な情報共有や操作権限を付与できる「組織・企業を超えてコミュニケーションを密にするための武器」(赤松氏)として、コラボリンク機能を搭載したと説明した。

 具体的には、コラボリンクで接続した相手方従業員に対し、適切な範囲で自社NI Collabo 360上へのアクセス/操作権限を付与し、またデータの閲覧や利用も許可する仕組みだ。なおこの機能はクラウドサービス版、パッケージソフトウェア版ともに利用可能。

 考えられるユースケースの例として赤松氏は、企業をまたぐかたちで「ワークフロー(稟議)の承認経路を設定する」「スケジュールやプロジェクトなどを共有する」「NIコンサルティングのSFAと連携し、顧客情報や商談履歴、製品クレームや要望などの情報を共有する」という3つを挙げて、デモを披露した。こうした機能は、M&A企業間だけでなく一般的なグループ企業間でも便利に活用できると説明する。

コラボリンク機能により可能になるユースケースの例。企業間をまたいだ承認やスケジュール調整、あるいは商談履歴などの共有が大幅に簡素化される

 NI Collabo 360の税抜価格は、クラウド版が1ユーザーあたり月額360円、ソフトウェアパッケージ版が5万8000円(10ユーザーの場合)からとなっている。10月1日より提供を開始する。

NI Collabo 360のデモ画面(ポータル画面)

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