「Ingress」「ポケモンGO」の
ナイアンティックの新オフィスを見学
位置情報ゲーム「Ingress」や「ポケモンGO」、そして7月に「ハリー・ポッター 魔法同盟」をリリースしたナイアンティックが新オフィスに引っ越し、メディア向けに新オフィスを公開した。新オフィスの所在地は東京都港区で、周囲には緑が多くフィールドへ出て遊ぶゲームを開発するナイアンティックにとてもフィットした環境だ。
コミュニケーションとクリエイティビティーを
なくさない環境とロケーション
ナイアンティック初の海外拠点として2015年に日本法人ができてから4年。4人で始まった最初のオフィスから数えて3つ目となる今回のオフィスに移転するに当たり「コミュニケーションとクリエイティビティーはなくさないようにすることを心がけた」と代表取締役社長の村井説人氏は語る。
このオフィスにはPR、パートナーシップ、マーケティング、オペレーション、UXチーム、開発を担当している東京スタジオチームとすべての部門が入っているが、ナイアンティックの風土として、部門の垣根なくみんなが自由にコミュニケーションすることができる環境を大事にしている。
これまでの小さなオフィスでは、そのような環境を気にせずにコミュニケーションできたが、ここに移るにあたって、大きなオフィスでもコミュニケーションできるように、机の配置も含めて考えたとのことだ。
クリエイティビティーという点では、社員自身が外に出てゲームを楽しむことが重要で、今までも声を掛けて一緒に外に出てポケモンGOのレイドを行なうといったことを業務としてやっているので、その点を重要視したという。たとえば、オフィスが高層になって外へ出にくくなったり、バラバラの場所になって声を掛けづらくなるということを避け、7階で外にも出やすく、緑も豊富で楽しい空間になるよう、社員でこの場所を選んだとのことだ。
実際に業務を行なう執務室は撮影不可とのことで中を見学したが、パーティションなどの仕切りがなく、部屋全体がオープンなスペースとなっており、コミュニケーションの取りやすさを重視した環境となっていた。
東京から世界に向けて発信する
社内ツアーの後、各プロダクトについての報告や今後についての説明がなされた。
【Ingress】
2015年から47回開催されているミッションデーや、毎月第1週の土曜日に開催されているファーストデーなど、多くのイベントが開催されてきた「Ingress」。2018年11月には「Ingress Prime」がリリースされ、便利な操作が多く追加された。
今後は、9月14日には実験的なイベントとしてフィールドテストの実施、9月21日には北陸初のミッションデーを開催予定だ。
【ハリー・ポッター 魔法同盟】
今年7月にリリースされた「ハリー・ポッター 魔法同盟」は、35ヵ国でナンバー1アプリ、45ヵ国でナンバー1ゲームアプリとなるなど好調な滑り出しとなっている。最近では日本語版のコミュニティーフォーラムをリリースし、8月31日、9月1日はファンフェスティバルも開催された。
今後もコミュニティーデーなどのイベントやファンフェスティバルのように、リアルにユーザーが集まるイベントを積み重ねていきたいという豊富が語られた。
【ポケモンGO】
3周年を迎えた「ポケモンGO」は世界各地でイベントを開催し、今年はシカゴで6万人、ドルトムントで8万5000人、そして横浜で15万人を集めた。特にシカゴと横浜では、過去に開催したイベントで支障があったこともあり、今回完璧とは言えないが成功裏に開催できたことは、会社として大きな足跡を残せたと考えているという。
また、ロケット団をリリースしニューヨークでは広告ジャックを行なったり、日本ではロケット団がポケモンを運んでいる姿をツイートするなどのキャンペーンを実施した。これは、ユーザーがいる世界にロケット団が本当に攻めてきたという雰囲気を作り、とても効果的なキャンペーンとして数字にも現れているという。「Ingress」で学んだ、現実世界とバーチャルが融合したコミュニケーションがナイアンティックの強みであり、今後もこのようなおもしろい活動を続けていきたいと語られた。
ナイアンティックは「共に歩いて冒険をしよう!」という言葉をミッションとしてサービスの開発・提供に取り組んでおり、「身の回りの世界を探索してもらいたい」「一人でも友人とも家族ともみんなと歩いてもらいたい」「現実世界で人と触れ合ってもらいたい」といった機会を提供するサービスをこれからも作り続けたいという。
村井氏は最後に「東京スタジオチームはグローバルの開発拠点として、ここから世界に向けて発信。アジア全体をカバーするビジネス拠点としてこれから発展していくために、どのような価値を提供できるのか。そこに大きなチャレンジがあり、それに向かってチームメンバーととも突き進んでいきたい。そのための新しいオフィスではあるが、大きなオフィスになったからどうということはなく、地に足を着けて、謙虚に一歩一歩着実に進んでいきたい」と語り、新しい拠点での活動の抱負で締めくくった。