CPUの重さがネックな「Project CARS 2」
前回の検証で重量級VRコンテンツとして特に印象に残ったのがレーシングシム「Project CARS 2」だ。特に車が密集するスタート地点付近ではCPU負荷が非常に高くなっていたため、第3世代Ryzenでのパフォーマンスでどこまで対抗できるか注目されるところだ。
今回も前回と同じく、画質は“中”設定とした(オンオフ2段階ならオン、アンチエイリアスはSMAA2x)。サルト・サーキットにおけるリプレイを再生し、スタート直後〜第1コーナーを抜けるあたりまでのパフォーマンスをチェックする。
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●SS50%の場合
Project CARS 2自体がNVIDIA向け最適化度の高いのタイトルであるため、Radeon勢のフレームタイムは明らかにRTX 2080より長い。特にスタート直後のシーンを抜け、オブジェクト数が一気に少なくなったあたりだとRTX 2080は一息つくのが見えるが、RX 5700 XTでは11msを下回るシーンはほぼ見られない。
ちなみにスタート直後のCPUフレームタイムが非常に高くなるシーンでCPUがどう使われているかタスクマネージャーで確認してみた。Ryzen 7 3800Xの論理コア数は16基だが、ゲーム中に使われるのはせいぜい6基程度。CPUの並列度が足りないからCPUフレームタイムが長いのではなく、マルチスレッドへの最適化度が不十分であることが原因のようだ。
●SS100%の場合
SS100%になっても傾向は同じである。最新のAMD製プラットフォームでも、Project CARS 2のVRモードを完璧なフレームレートで楽しむのは難しいようだ。
●SS200%の場合
SkyrimのVega 56で見られた、GPUフレームタイムが正しく表示されないどころか、負の値として観測される例がここでも確認できた。どのような理由で負の値になるかは不明だが、Radeonでは負荷が高すぎる場合にこうした表示になるのかもしれない。下のグラフからも分かる通り、Project CARS 2はRadeonでプレイするにはかなり不適なゲームであるといえる。