インテルの新しいAIチップは、すでに義肢の性能向上などに使われている。
インテルが「ポホイキ・ビーチ(Pohoiki Beach)」を初公開した。ポホイキ・ビーチは、インテルのAIプロセッサー「ロイヒ(Loihi)」を64個搭載したシステムだ。ロイヒは、人間の脳の学習能力を模倣し、エネルギー効率を追求したニューロモーフィック・チップ(neuromorphic chip)である。ニューロモーフィック・チップはまだ初期段階にあるテクノロジーだが、さまざまな種類のAIアプリケーションを訓練している研究者の間で人気は高い。
ポホイキ・ビーチは、消費電力を大きく抑えながら、CPUやGPUなどの一般用途のプロセッサーと比べて特定のデータ処理タスクを最高1000倍の速度で実行できる。
AI研究者にとっては興奮するような展開だ。すでに新しいハードウェア・プラットホームで実験している研究グループもあり、段差のある地面に義肢を順応させる方法を改善したり、自律型移動手段で使える正確なデジタル地図を作成したりするのに使われている。
インテル・ラボの責任者であるリッチ・ウーリヒ博士は、インテルは2019年末までに1億個の神経細胞をシミュレーションできるシステムを製造すると予告している。そうなれば、より正確に制御できるロボット・アームなどの新しい一連のアプリケーションにも適用できるだろう。