パナソニックは、同社デザイン本部の取り組みについて説明。同時に、デザイン本部の「FUTURE LIFE FACTORY」(FLF)が開発した知育玩具「pa!go(パゴ)」を公開した。
子供の好奇心をグーグルの技術で育む
FUTURE LIFE FACTORYは、デザイン本部のなかで、アイデアをもとにした新たなモノづくりをしている組織だ。
これまでに、ノイスキャンセリング機能を搭載したヘッドフォンと視界を調整するパーティションを活用し、集中できるパーソナルな空間を作り出す「WEAR SPACE」や、遺伝子解析を活用して、個人ごとに最適なくらし空間を提案する「GENOME HOUSE」、ファッションの視点から家電を再定義した「FASHION TECH」、おしゃれな調味料ケースのようにも見える小型の筐体を持って上下に振ると、会話のきっかけを与えてくれるコミュニケーションツール「talcook」、4畳半の動く部屋とそれに接続する拠点によって、新たな生活を提案する「EXPANDED SMALL」などの実績がある。
公開したpa!goは、懐中電灯サイズの筐体に搭載されたカメラ部を対象物に向けると、その物体がなにであるかをリアルタイムで認識し、説明をしてくれるというものだ。
「好奇心が強い子供たちが、身近なものにもっと関心を持ってもらうためのツール。探索し、遊び、学習するといった子供たちの意欲を育みたい」(パナソニック デザイン本部FUTURE LIFE FACTORYの今枝侑哉 主任意匠技師)
子供は、首からpa!goを下げて、好奇心が赴くままに対象をキャプチャーするだけ。pa!goは、音声情報でそれを説明してくれる。植物や動物、昆虫、食べ物など、説明する対象は様々だ。本体だけでリアルタイムに画像処理をするために、グーグルが開発したEdge TPUを搭載するとともに、グーグルの機械学習技術を活用。本体に配置された2つのボタンのうち、上のボタンを押すとすぐに情報を聞くことができ、下のボタンを押すとより詳しい情報を聞くことができる。
また、pa!goは、Chromecastの技術を使って、テレビやディスプレーに接続することが可能だ。pa!goをリモコンのように使用することで、pa!go撮影してきた画像を画面に表示できる。さらに、将来的にはパナソニックのミニプロジェクターを搭載する予定で、pa!goから、壁などに向かって、撮影した映像を自由に再生できるようにする。
現時点では、製品化の時期は未定だが、今年秋以降、筐体を段ボールで構成した「β版」を販売する計画を明らかにした。
「あくまでもβ版であり、パナソニックのブランドではなく、部品メーカーブランドで試験販売することを計画している」とし、「開発中のものではあるが、この技術をオープンにして、フィードバックを得ながら製品化を目指す」としている。現時点では、価格は未定だ。