太陽光を動力源とする蜂型ロボットが、ドローンの未来を切り開くかもしれない。
ハーバード大学のマイクロロボット工学研究室が開発した「ロボビー・Xウィング(RoboBee X-Wing)」は、マイクロエンジニアリングにおける偉業を成し遂げた。ロボビー・Xウィングは、電力供給のためのテザー(つなぎ縄)無しで飛行できる、初の昆虫サイズ飛行マシンなのだ。材料や工学における最新の技術の進歩を利用することで、新たな動力効率も達成している。この飛行マシンの論文は6月26日付けのネイチャー誌に掲載された。以下の動画で飛行中の様子を見ることができる。
パタパタとはためく羽根には、従来のドローンが揚力を得るのに利用してきたプロペラ翼を上回る、潜在的な利点がいくつかある。羽根を使うことで、より機敏に飛行でき、操縦性が確保されると同時に、プロペラ翼よりも静かで安全なのだ。
はためく羽根を備えた航空機は以前に作られたことがあり、空中を羽ばたくおもちゃもいくつか販売されている。しかしそうしたマシンはまともな制御ができず、本物の鳥や昆虫のような動力効率をまったく持ち合わせていない。実際、たいていの小型ドローンは飛行をするために、外部電源に接続されたテザーを必要とする。ロボビーはテザーが不要で、代わりに、羽根の上に取り付けられた複数の小型ソーラーパネルで電力を発生させる。
もっとも現段階では、ロボビーの飛行は多少ぎこちなく見えるし、商品化する準備もまだ出来ていない。通常の日光の3倍の強さの光源が必要で、1回につき数秒間しか飛行できない。それでもロボビーは、羽根付き昆虫型ドローンが建物の間や繁華街の中を、驚くほどやすやすと羽ばたいているであろう将来を予感させる。