「LINE Clova×ラーメンWalker」スキル開発記 第3回
全麺(米じゃなく)が泣いた!……ついに完成!
LINE Clova向け「ラーメンWalkerスキル」で美味いラーメンとの出会いが待っている
2019年06月28日 11時00分更新
あれから1ヵ月、意外と時間がかかった理由
6月某日、1本の連絡がムラリンの元に届いた。
「6月24日公開決定です。6月●日●時に本社へ」ガチャ!
もちろん、電話の主は仕事のできる男・カイだ。ついに、ラーメンという庶民的グルメを扱うLINEのAIアシスタントClova向けの『ラーメンWalker』スキルが完成、公開日が決まったのだ!
もちろん、ラーメン店の情報をClovaがしゃべってくれるだけでなく、LINEのスマートスピーカーならではの機能として、取得したデータをLINEに送ってくれ、得た情報を元に目的のラーメン店へと迷うことなく向かえるのだ!
前回の途中経過を聞きに行ってから早1ヵ月。天才プログラマー・もっちの「すぐできましたよ」発言が飛び出し、テストが終わればすぐにでも公開されると思っていたのだが、意外と時間がかかったものだ。
数日後、この日も蒸し暑く、汗だくになりながら再び訪れた角川アスキー総研の本社。「いらっしゃいませ!お待ちしてました!」受付で出迎えてくれたのは、前回カップラーメンをお茶代わりに出してくれた次代を継ぐ女・モリだ。これからの暑い夏にラーメンを食べまくっても涼しくするためなのか髪の毛をバッサリとショートカットにしていた。
通されたのは前回とは違う会議室。前回の訪問時には、Wi-Fiの電波が弱くなかなか接続してくれずに動作が不安定だったため、今回は隣の会議室を押さえたとのことだった。前回の会議室より若干狭い。全員は入れないとのことで、ラーメン解説役のマツモト・Dとモリは退席。今回スキルを紹介してくれるのは、カイともっちの2人だ。
カイ「前回、Wi-Fiの問題があったので、事前にこの会議室でチェックしたらちゃんと動作したので今回は大丈夫ですよ」
ムラリン「なるほど。お心遣い、ありがとうございます」
とは言ってみたものの、Wi-Fiが使えない会議室があるというのも、今どきの会社としてどうかと思うので、別の会議室うんぬんより、早いとこすべての会議室で普通にWi-Fiを使えるようにしたほうがよいのではないか。
ムラリン「では、早速完成したものを見せていただけますか?」
もっちもClova Friendsシリーズを両手に持って加わり、早速完成版『ラーメンWalker』スキルを起動してもらう。
もっち「ねぇClova、ラーメンWalkerスキルを起動して」
Clova「ラーメンWalkerスキルを起動しました」
ムラリン「おぉぉぉ、すんなり。これだけでも感動なんですけど!」
今回は問題なくClovaが反応して一安心。続けて、
Clova「東京都の地名と食べたいラーメンの種類を聞いてみてください」
もっち「醤油ラーメン」
Clova「おすすめのラーメン店は荻窪中華そば春木屋荻窪本店です。ラーメン店の情報をLINEに送信しました」
ムラリン「お。一発で来ましたね。これですよこれ。地名を言わなくても大丈夫なんですね」
もっち「はい、醤油、塩、みそ、とんこつ、担々麺の5種類を言うだけでもおすすめの1店舗を紹介してくれます。地名は23区からランダムで選ばれます」
カイ「実はラーメンの種類は、“その他”というのがあるんですよ。たとえば、とまとチーズつけ麺とか5つの種類に含められないものがいくつかあって。
ムラリン「その場合、“その他”と言えばいいんですか?」
カイ「いや、“その他”といっても反応しないんです。地域名だけを指定して、味を指定しないと、何分の一かの確率でその他の店舗がオススメされるようになっています」
ムラリン「それって、いきなり裏技みたいな使い方じゃないですか!いいですね!」
とりあえず、無事完成したようで一安心。それにしても、前回から1ヵ月以上かかったのにはなにか理由があるのだろうか。
ムラリン「前回の話だとあとテストして調整するぐらいで、すぐにでも終わる雰囲気だったんですが、意外と公開まで時間がかかりましたね」
カイ「いや、実は完成したスキルをLINEに申請したら、3回くらいリジェクトを喰らいまして」
ムラリン「え!どこが問題だったんですか?」
もっち「1回目は、対話モデルにおけるサンプル発話の組み合わせのパターンを増やす方法として“新宿区のおすすめラーメンは”とか“新宿区の醤油ラーメンは”とか、すべて“新宿区”で統一していたんですよ。そうしたら、違う地区の発話パターンを入れて精度を上げてほしいと言われ……」
ムラリン「なるほど。あと2回ってなんだったんですか?」
カイ「あと2回は、ユーザーがClovaをLINE IDと連携していないとき、ClovaをLINE IDに連携してくださいと音声で初めに伝えなければならなかったことと、連携したLINE IDへのデータ送信が失敗したときに、その旨を通知する対応が入っていなかったことですね。文言は特に決まっていなかったので、私の方で考えて実装しました」
もっち「そのあたりの制作は難しくなかったんですが、ある意味リジェクトへの対応がいちばん苦労したかもしれません」
ムラリン「つまり、リジェクトの対応で結構時間を食ったということなんですね」
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