米サイバー軍はこれまで攻撃よりも偵察に焦点をおいてきたが、一歩踏み込んだ対応を取ることになった。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、米国はロシア政府によるハッキングや虚偽情報発信への対抗策の一環として、ロシアの送電網をはじめとする複数の標的にマルウェアを仕込んだという。この事実が発覚するわずか3日前には、ロシアに関連のあるゼノタイム(Xenotime)と呼ばれるハッカー集団が、米国の電力会社に対する攻撃の下準備を始めたというニュースが報じられたばかりだった。
当然ながら、内容の機密性から詳細はほとんど明かされていない。だが、この作戦は米国防総省の米国サイバー軍が主導している。昨年の夏に成立した新しい法律では、攻撃に対する「抑止、予防、または防御」を目的として、サイバー空間における「秘密裏の軍事活動」を認めている。
今回の暴露が今後ロシアからのサイバー攻撃の抑止力になることを米国は望んでいる。だが、この動きが、逆に火に油を注いでしまう可能性もある。