RTX 2080 mini搭載「ESPRIMO WD-G/D1」開発者インタビュー
富士通のノウハウを集結、“何でもできる”ハイエンドPCが誕生したワケとは (2/4)
2019年06月11日 11時00分更新
ゲーミングパソコンを作る気はなく
“なんでもできる”マシンを目指した
ーー富士通クライアントコンピューティングのデスクトップパソコンは、省スペースでリーズナブルなイメージだったのですが、今回なぜハイエンドのESPRIMO WD-G/D1の開発に至ったのでしょうか。
屋形 憲一氏(以下、屋形):弊社でGeForce GTX 1050搭載デスクトップは提供させていただいておりましたが、もう少し上位のグラフィックスカードを搭載したマシンが欲しいというユーザーさんの声が多かったので、社内で議論を重ねて当時1番上位のGeForce RTX 2080を搭載するマシンを開発することにしました。
ーー急にGeForce RTX 2080搭載機が登場したので、驚きました。
屋形:ミドルレンジのGeForce RTX 2060などもすそ野が広がるため検討しましたが、結局もっとハイエンドのマシンが欲しいという声があると思いましたので、最初のモデルは一番上のGeForce RTX 2080にしたんです。
ーーゲーミングパソコンではないんですよね?
屋形:そうですね。我々としては、ゲーミングパソコンを作る気はなかったです。年賀状を作る、写真や動画の編集をするといった“なんでもできる”パソコンを目指して作りました。その“なんでもできる”の中にゲームが入っているという感じです。ただ、ハイエンドの汎用マシンを開発するうえで、“なんでもできる”の中にゲームを入れるのは、初のチャレンジになります。
宮崎 至氏(以下、宮崎):弊社のパソコンのユーザーさんの年齢層は高めなのですが、世間でe-Sportsが取り上げられていて、学生の頃にファミコンで遊んでいた世代で、自分でもやってみたいという人は増えてきている感じがします。
ーーゲームでは、『信長の野望・大志 with パワーアップキット』の推奨認定を取得していますが、どういった経緯で推奨になったのですか?
屋形:様々なゲームメーカーさんにお声がけさせて頂きました。その中でもコーエーテクモゲームスさんから同じ神奈川県のメーカーなので⼀緒に⾊々やりましょうと手を挙げてくれたのがきっかけです。弊社の川崎工場が神奈川県の武蔵中原にありますので。また、ESPRIMO WD-G/D1と『信長の野望・大志 with パワーアップキット』の発売日が近かったというタイミングもあります。
ーーたしかに、コーエーテクモゲームスさんは日吉ですもんね。
屋形:そうなんです。色々とチェックで来てほしいといわれれば、すぐに行けますから。
ーー今後もいろいろと展開はあるのでしょうか。
屋形:今回も、「ふくまろ」を「信⻑の野望」シリーズの世界に登場させようといった話はあったのですが、こちらはタイミングが合わずに断念しました。今後も同じ神奈川県のメーカーとして色々一緒にやらせて頂きたいと考えています。
ーー「信長の野望」シリーズって、そこまで負荷が高いイメージはないですが、最高設定だと結構負荷かかりますよね。
屋形:そうなんです。GeForce GTX 1050搭載マシンでも遊べるのですが、ESPRIMO WD-G/D1で最高設定で遊ぶと、馬が走る土煙などの描写が全然違うんです。やはり、創った人が観て欲しいクオリティでプレーして欲しいです。
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