“シンプル”とされるドコモの分離プラン「ギガホ」「ギガライト」。MVNOの格安SIMのように料金がひとまとめになっており、金額も明瞭。では、これは格安SIMから乗り換えてもいいくらいのプランなのだろうか。
確かにシンプルにはなっているが
料金面では格安SIMの有利は揺るがない
ドコモの分離プランの広告などを見ると「1980円~」となっていて一瞬は安いようにも見えるが、結論から言えば、MVNOの格安SIMの優位性は揺るがないというのが筆者の結論だ。ただし、わかりやすさは以前に比べればだいぶ前進している。
新しいプランでは基本料金/プロバイダ料金/パケット料金の区別がなくなりひとまとめになっていることを評価したい。これまで、ドコモの広告では基本料金の最安値だけを表示しているものや、家族で利用した際の子回線のみの金額、すぐに適用が難しい15年超のユーザーの最安値を表示するなど、非常にわかりにくく、広告に大きく書かれた金額で利用することすら難しかった。
ところが、「ギガライト」の“1980円”は節約しての利用が前提になるが、スマートフォン1回線あたりの料金の総額として新規加入後すぐに適用可能だ。
残念なのは、これが家族で3回線以上の利用の場合という限定がつくこと。1回線のみなら2980円~で、ここはフェアに単独料金をメインに訴求し、割引も併記するようにしてほしかった。
お一人様で3GB利用なら、ドコモ新プランは月額4301円
現実的には、通勤通学時にスマホをほどほどに触るような使い方で、月間の通信量が1GB未満というのは難しい。普通は3GB程度は消費し、自宅に固定回線がなければさらに数GBが上乗せされる。
そこで、1回線の契約で3GB使う場合を想定すると新プランの「ギガライト」では3980円となる。MVNOの格安SIMなら1600円前後ですむところが倍以上の金額だ。幸いなのが以前の「月々サポート」ありの金額のように最初の2年間だけ安いということがなく、契約したら料金改定がない限りこの金額で利用できる。
ちなみに既存のプランでは、月3GB利用するなら「シンプルプラン」+「spモード」+「ベーシックパック」で、980+300+4000の5280円となる。新プランでは3980円だから一応は値下げされている。
ただし、docomo with機種購入で得られる月1500円引きや、端末購入に伴い、2年間機種ごとに設定された金額が引かれる「月々サポート」が廃止されるので、これらを適用した場合に比べれば同じサービスを受けても支払い額はプラスになってしまう人もいる。長期利用による料金値引きもなく、支払い総額としては高くなる可能性が高い。
そこでドコモが用意した、料金が下がる方法は3つある。1つ目は家族でまとめる「みんなドコモ割」による割引で、2回線でそれぞれの回線が月500円、3回線以上で1000円引きになる。広告の「1980円~」は3回線以上の場合で1GB未満利用時の金額だ。
2つ目が「ドコモ光セット割」で、ドコモ光の加入で割引があるが、月3GBなら500円。そして、3つ目がフィーチャーフォンからの移行に限定して12ヵ月間だけ月1000円引くというものだ。
おひとり様で自宅に固定回線がないのなら、安くなる方法があまりないのが実情で、月3GBの利用なら月額3980円、消費税やユニバーサルサービス料を加えて月額4301円がかかってしまう。
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