フェイスブックが、危険思想の持ち主の排除に乗り出した。アレックス・ジョーンズ、マイロ・ヤノプルス、ポール・ジョゼフ・ワトソン、ポール・ネーレン、ローラ・ルーマー、そしてルイス・ファラッカンが、フェイスブックとインスタグラムから追放された。
いずれもヘイトスピーチに関与し、煽ったとして非難を受けた人物だ。フェイスブックはまた、アレックス・ジョーンズが所有するWebサイト「インフォウォーズ(InfoWars)」など、関連するアカウントやページもすべて凍結した。フェイスブックとインスタグラムは、インフォウォーズの記事や映像、音声クリップなどのコンテンツを削除。今後、前述のリストの人物を装ったアカウントを作成しようとしても、受け付けないという。
フェイスブックは、「私たちは常に、イデオロギーに関わらず、暴力やヘイトを煽ったり、関与したりする個人や組織の利用を禁止してきました」と主張している。実際には、利用禁止の措置は途切れ途切れに実施されていたにすぎない。しかし、クライストチャーチモスク銃乱射事件のような憎悪犯罪などを通じて、オンライン上のヘイトスピーチやデマ情報が現実世界に大きな影響を与えることが明らかになっており、ソーシャルメディア企業に対して何らかの対策を求める圧力が高まっている。ツイッター、ユーチューブ、アップルは以前から、ジョーンズとインフォウォーズを排除している。
今回のように、個人に対する利用禁止が断片的に表明されていることは、オンライン上のデマ情報やヘイトスピーチに一貫的に取り組むことの難しさを浮き彫りにしている。さらに、現代社会において許容するものとされないものを決定する上で、大手テック企業にいかに大きな権力が与えられてきたかを思い起こさせるものだ。