フェイスブックの出会い機能が大幅に拡張され、これまでの5カ国に加え、新たに14カ国で利用できるようになった(米国はまだ含まれていない)。
そのうちの1つ、「シークレット・クラッシュ(片想い)」機能は、「フェイスブック・デーティング(Dating)」のユーザーがデートしたい友だちを9人まで選び、もし両想いなら通知が届くというものだ。フェイスブック・デーティングでのみ利用できる(友だちのプロフィールにこっそり近づいて、密かに想いを表すことはできない)。フェイスブックはその影響力を活かして、ヒンジ(Hinge)、バンブル(Bumble)、ティンダー(Tinder)などの競争相手であふれている出会い系アプリ市場への参入を望んでいる。フェイスブック・デーティングは年末までには米国でも利用できるようになる予定だ。
シークレット・クラッシュは4月30日、フェイスブックの開発者向けの年次イベント「F8カンファレンス」で発表された。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は2011年以来最大の新構想を明らかにし、ワッツアップ(Whatsapp)、メッセンジャー(Messenger)、インスタグラムをエンドツーエンド(E2E)の暗号化された製品として統合する計画を具体的に示した。もっとも、その立ち上げは何年も先になるとのことだ。また、新型のワイヤレスVR(実質現実)ヘッドセットの出荷や、スマート・ディスプレイ「ポータル(Portal)」の世界市場での販売計画も発表した。
しかし、今回のイベントでは紛れもなく省略されたことがあった。これらの発表のどれ1つとして、フェイスブックに関わる主要な懸念であるユーザー・データやターゲティング広告を中心とする問題にはまともに触れていないのだ。