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ラグビー4000万円チケットが即完売 スポーツホスピタリティ事業の魅力とは

2019年04月25日 06時00分更新

文● 本田雅一 編集● ガチ鈴木 /ASCII編集部 写真● 曽根田元

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 これまでプロスポーツリーグはもちろん、大規模スポーツイベントでも定着していない日本のスポーツホスピタリティ事業。前編では海外スポーツ事業との違いなどについて紹介したが、後編ではワールドカップラグビー2019でスポーツホスピタリティ事業を展開する「STH Japan(エスティエイチ ジャパン)」への取材を中心に話を進めていきたい。

STH Japan 執行役員 倉田知己氏

 STH Japanは、英国内でのプロスポーツイベントでホスピタリティ事業を展開するSTHグループと日本の大手旅行会社のJTBが設立したジョイントベンチャーである。

 JTB勤務時代のオーストラリア駐在中にシドニーオリンピックでスポーツツーリズム事業にはじめて携わり、それ以降、さまざまなイベントをこなしてきた執行役員の倉田知己氏に話を聞いた。

事業としての「スポーツホスピタリティ」

 「まずはスポーツホスピタリティという事業について、『どのようなビジネスなのか』を具体的に話しておきたい」と倉田氏。

 なぜなら、スポーツホスピタリティ事業に関して、日本では「ざっくりとしたイメージ」でしか知られていないためだ。STH Japanは日本で本格的に展開するスポーツホスピタリティ専業事業者だ。ほとんどの人が未体験でもある。また参加経験があったとしても、多くは大会スポンサーなどが設置しているホスピタリティがほとんどだ。

 今回、取り上げようとしているのは、観戦チケットと同様に販売されるホスピタリティチケットのことだ。前編で紹介したように、海外では観戦チケットよりも多くの売上げがある。順を追って話を進めよう。

 「スポーツホスピタリティ事業」と本記事で表記してきたが、このジャンルは思いのほか幅広い形態がある。

 たとえば、大会そのものを円滑に運営するため、観客をサポートする業務はすべて「スポーツホスピタリティ」と言える。その中にはボランティアによる運営や参加者のサポートといったものも含まれる。

 そして前述したように大会の運営費や必要な機材、サービスなどを提供するスポンサーが、事業パートナーや顧客をもてなすために設置するホスピタリティスペースもある。オリンピックの選手村など、出場する選手たちの滞在や練習、出場前後のサポートといった事業もスポーツホスピタリティの一種だ。

 しかしラグビーワールドカップ2019(RWC2019)を契機に日本にジョイントベンチャーを設立したSTHグループが得意としているのは、観戦チケットに加えてより積極的に包括的なサービスとしてホスピタリティを提供し、販売する事業である。

「ラグビーワールドカップ2015」でのホスピタリティ事業の様子(提供:STHグループ)。

 そこで用意されるのは、ベストな位置からの観戦チケット、VIPエリアでレストランのような食事や飲み物のサービス、VIP専用の観戦シートへの誘導経路、イベントにちなんだ「その場でしか入手出来ない」貴重なギフトグッズなど。(設備があることが前提だが)チケットの価格帯によってはスイートルームからの観戦も可能だ。

 さらに、プロリーグの試合ならば、そこに選手たちとの交流の機会や、試合前の特別なイベント、あるいは見学コースなども設定されることが多い。

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