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シャープが自社で製造!! スマホ向けの「折りたたみ有機EL」

2019年04月10日 17時30分更新

文● 島徹 編集●ASCII編集部

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シャープがスマホ向けの「折りたたみ有機EL」を展示

 シャープは4月10日に新技術・製品の展示会を開催。自社製のスマホ向け折りたたみOLED(有機EL)パネルや8K対応ビデオカメラなど、今後の登場が期待される新技術が披露された。

 展示された折りたたみ「6.18型フォルダブルOLED」は、内側に折りたたむヒンジが付けられており、30万回の折り曲げ試験をクリアしたという。なお、今回の展示はディスプレーのみで、スマートフォンとしての機能は搭載されていない。

開くと6.18型の平面ディスプレー

折りたたむと半分のコンパクトな形状に

 このOLEDパネルの正体は、最新スマホ「AQUOS zero」に曲面ディスプレーとして搭載された、初の自社製フレキシブルOLEDと同じものだ。もともと曲げられるパネルなので、新たに内側へ折りたためるヒンジを開発して展示したという。実際の製品化については、「今回はディスプレー技術の展示で、スマートフォンの担当部署の判断になる。だが、いろいろ検討はしているようだ」とのこと。

「AQUOS zero」にも採用されている6.18型フレキシブルOLED。プラスチック基板なので柔軟に曲がる

 さらに、IGZO技術を用いた大型の12.3型フレキシブルOLEDも展示。車載向けを想定した展示内容だが、折りたたみへの応用も可能だという。

車載向けを想定したIGZO技術を用いた12.3型フレキシブルOLED

 前述のAQUOS zeroにも採用済みの6.18型フレキシブルOLEDは、駆動回路にLTPS(多結晶低温ポリシリコン)を用いているが、新しいフレキシブルOLEDにはシャープおなじみのIGZOを採用。リーク電力が少ないぶん、表示素子の劣化に対する表示補正をより正確に測定でき、OLEDパネルの寿命をより長くできるという。また、パネル上のトランジスタの面積を少なくできるので、より高解像度なパネルも設計できるという。

 このほか、展示ではCESでも展示されたマイクロフォーサーズの8Kビデオカメラや、NTTドコモとの5Gを使った8K映像配信の実証実験、ディスプレー製造技術を応用した技術展示などが展示された。

8K30p撮影が可能な、マイクロフォーサーズ対応のビデオカメラ。ビットレート200MbpsでSDカードに記録できる。5000ドル以下を目指して開発中。LOG撮影やUSB Type-C端子からの記録も検討中とのことだ

参考展示の31.5型8K HDRモニター。当面先の話だが、一体型PCとしての製品化も検討しているという

店頭ディスプレーなどを想定した、90型の透過液晶ディスプレー。テレビ向け液晶パネルを流用したもので、実際にはヒンジも小さくコストもそこまで高くないという。画面の後ろに設置した展示物が透過して見えるのが特徴。LGなどが手がける自発光型のOLED透過パネルとは異なり、表示には背面からの光が必要。その代わりに、OLED透過パネルではできない黒の表現が可能だ


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