米国食品医薬品局(FDA)は、より多くの訓練データを食わせることで改善やアップデートができる人工知能(AI)システムの規制を準備していると発表した。
FDAが公開したホワイトペーパーでは、AIを使った医療機器の発売前に必要な承認方法を巡って新たな規制枠組みが提案されている。今回の枠組みは、機械学習(ML)を使った機器の公的な監視に向けたFDAにとっての最大のステップとなる。
機械学習システムを規制するのは難しい。というのも、機械学習システムは新たな訓練データを使用して性能を継続的に改善、アップデートできるからだ。FDAが以前認可した機械学習をベースにした医療ソフトウェアの事例では、ソフトウェアを商業展開する前にアルゴリズムを「凍結」した上で、ソフトウェアを変更する際には再認可のプロセスを経るよう求めていた。だが、このプロセスによって機械学習テクノロジーのメリットが損なわれることをFDAは認識している。新たな規制によって、最初の認可を受けてから機械学習システムをある程度進化させながら、その進化に伴うリスクを管理できるかもしれない。
機械学習を使った医療機器の提供業者は特定の機器の承認を求めるとき、モデルの再訓練など予定しているソフトウェアの修正計画も提出できる。さらに、FADはこうした提供業者の開発プロセスの質を評価し、それにより、たとえば臨床実験によって機械学習システムを確実に検証できるようにする。
FDAは現在、ホワイトペーパーへの意見を募っている。ホワイトペーパーは「この分野に関する将来への慎重な配慮を示しています」と深層学習分野と保健医療の専門家であるエリック・トポル博士はスタット(STAT)に語った。