英国の国家統計局(ONS)が2017年、2000万人の仕事を分析した結果、そのうちの7.4% はテクノロジーに取って代わられる危険性が高いことが分かった。
ONSの発表によれば、もっとも「危険にさらされている」グループは、女性、パートタイマー、若者だった。また、自動化される可能性がもっとも高い仕事は、接客係、次いで商品の棚積み、若い営業職であり、その一方で、可能性がもっとも低い職種は医師と教師だとしている。ONSは人々がこの調査結果について議論できるように、チャットボットを開発した(まったくもって皮肉な話だ)。
ロボットに仕事を奪われるかといえば、必ずしもそうではない。ONSは「定型的な反復作業ほど、人間が作成したアルゴリズム、すなわち特定の機能に特化して設計された機械の方が、より迅速かつ効率的に職務を遂行できる」としている。ONSの調査結果は同種の他の研究とも一致している。自動化の規模に関しては大きな意見の相違があるものの、自動化される可能性のある仕事の種類については概ね一致している。
だが、注意すべき点も多い。自動化はすでに影響を及ぼしつつあるものの、ONSが述べているような変化がいつ起きるのかは分からない。たとえば、近い将来、ロボットが給仕することを想像するのは難しい。これらの仕事の多くは、消滅するのではなく変化する可能性もある。雇用主はスタッフを再訓練したり、より生産性の高い職務に移動させたりすることもできる。
今回の調査結果に目新しい点はないものの、自動化の規模と、その対応ついての議論は2019年中に活発化することが予想される。その間、企業はロボットや人工知能(AI)の導入に取り組み、政治家は最善の対応策の模索を試みるであろう(彼らがそれに気付いていればだが)。「ロボット税」やユニバーサル・ベーシック・インカム(全国民向け最低所得保障)といった解決策も、今後より一層、精査されるはずだ。