血流を介して傷口に移動し、創傷治癒を助ける生細胞からヒントを得たロボットが開発された。
今回開発されたロボット群は、総勢25台の円盤型のロボットから成る。各ロボットは外縁部と歯の周りに備わっている磁石により、周囲のロボットに「くっつく」ことができる。ロボット群は、「広がる」か「縮む」という2つの動きでしか移動できない。各ロボットは、この動きのタイミングを慎重に合わせることで、お互いを押したり引いたりして協調運動ができる。3月20日にネイチャー誌に掲載された論文で発表されたこのロボットはセンサーも備えており、ロボット群は光源を検出し、光源に向かって移動できるという。
ロボット群は、1つの集団となって協調運動をすることで、障害物を避けて移動したり、身をよじるように隙間をすり抜けたりできる。さらに、個々のユニットが誤作動を起こしても機能し続けることができるという。ロボット「群(スワーム)」は、反応の早い、柔軟かつ頑丈なロボットとして機能することが期待できると、論文を発表した研究者らは述べている。2018年12月に発表された同様の研究論文では、赤外線を使ってお互いにコミュニケーションをとることで自律的に機能するロボット群が発表されている。