フェイスブックは今後、反ワクチンに関するメッセージを掲載するページや投稿を、レコメンド・アルゴリズムによって上位に表示されなくすると発表した。
反ワクチンに関するメッセージの掲載や投稿を禁止することまではしない。新たなポリシーを伝えるブログ記事の中で、フェイスブックのグローバル・ポリシー管理担当副社長であるモニカ・ビッカートは、反ワクチンに関するデマを見つけにくくするとだけ述べている。具体的には、表示順位を落としたり、おすすめや予測検索から省いたりする。インスタグラムでは、反ワクチン情報が「発見」タブやハッシュタグページに表示されないようにする。
ブログ記事ではまた、ワクチンの虚偽情報に関する広告は掲載を拒否し、「人々が反ワクチンに関するデマに接した場合に、ワクチンに関する啓発情報を共有できる方法を模索している」と述べている。
米国では現在、ワクチン接種率の低下により、はしか(麻疹)の深刻な流行が発生している。フェイスブックはそうした傾向を助長したとして批判の矢面に立っている。ニュースサイトのデイリー・ビースト(Daily Beast)の報道によると、フェイスブックではつい最近まで、ワクチン情報を検索すると反ワクチンに関するページがトップに来ていたという。2月、民主党のアダム・シフ議員はマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)とグーグルのサンダー・ピチャイCEOに対し、反ワクチンに関するデマの拡散を止めるべく、もっと行動するように要請した。先週には、ある10代の若者が議会で、フェイスブックで反ワクチン情報に多く触れた母親の希望に反し、自身はワクチンを接種したと語った。
フェイスブックは3月7日には、英国の利用者向けにデマを流していたフェイスブックおよびインスタグラムの137のページを削除したことも発表した。「ヘイトスピーチに使われ、英国の政治論争において、双方の軋轢を生じさせるようなコメントを拡散していた」ためだという。