ZTEはMWC19初日の2月25日(現地時間)に新製品発表会を開催し、ZTE初の5G対応スマートフォン「AXON 10 Pro 5G」を発表した。
5G用のアンテナやモデムを端末内に収めつつ
7.9mmという薄型の形状は維持
発表会ではZTE Mobile Deviceのイノベーション&パートナーシップ部門VPのJeff Yee氏が登壇し、5G端末の開発のカギとなった「アンテナ設計」「冷却問題」「デザイン」について解説。4Gよりも多くの周波数帯を使う5Gのアンテナをうまく再配置することで、スマートフォン本体に収めたとのこと。
またCPUだけではなくモデム部分も4G端末より熱を持つため、液体による冷却、CPUやモデム周りの最適化で発熱を抑えた。そして本体デザインは4G端末と変わらぬスリムな美しさを保つように、AXON 10 Pro 5Gは本体厚さを7.9mmに留められている。
カメラはトリプル仕様で、前モデル「AXON 9 Pro」にはなかった望遠カメラを追加。標準カメラは4800万画素という高画素に、F1.8の明るいレンズを採用。ウルトラワイドは2000万画素、望遠は800万画素という組み合わせ。なお、最近のスマートフォンに標準搭載のAIシーン判定や、最適シーンで自動シャッターが切れるAIモーション機能も搭載されている。
CPUはSnapdragon 855で、5G対応のX50モデムを内蔵。メモリー6GBにストレージは128GB。ディスプレーは6.47型で2340×1080ドット、ディスプレー内蔵型の指紋認証センサーを搭載する。さらにIP68の防水防塵対応や4000mAhの大容量バッテリーなど。5G対応スマートフォンとしては標準的な仕上げと言えそうだ。
ZTEの5Gスマートフォン開発は、2018年10月に「サブ6GHz」での音声通話テストの後、11月には28GHzや35GHzなど高い周波数帯の「ミリ波」での音声通話にも成功。端末のフィールドテストは中国、オーストラリア、アメリカなど世界8ヵ国で実施した。そして今回のMWC19で実際に電波をつかむ実機が展示されている。ただし展示されていたAXON 10 Pro 5Gはオフライン状態で、5Gの開発モデルが電波をつかんでいた。
グラデーションや縦に並んだトリプルカメラなど
トレンドに沿った端末という印象
AXON 10 Pro 5Gの発売日は2019年上半期で、価格は未定。販売キャリアは中国のチャイナユニコム、フランスのオレンジ、フィンランドのエリサ、オーストリアのスリーの4社が確定している。ネットワークやIoT製品など多数の5G製品ポートフォリオを持っているZTEだけに、スマートフォンに続く5G端末の登場も期待したいところだろう。
前述したようにZTEブースに展示されていたAXON 10 Pro 5Gは動作モデルながら電波はつかんでおらず、また製品に触れることもできなかった。グラデーションを採用した、最近の中国系端末でトレンドとなっている色も用意されている。背面を見るとファーウェイのHUAWEI Pシリーズなどに似たカメラを縦に並べるデザインを採用。最近の流行をそのまま取り入れた、オーソドックスな外観の端末と言える。
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