ファーウェイ(華為)が同社初の折りたたみ式スマートフォンを発表した。サムスンが折りたたみ式スマホを初めて発表してから、わずか数日後のことだ。
バルセロナで開催されているモバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress:MWC)で発表されたファーウェイの「メイトX(Mate X)」は外側に折りたたまれる。つまり、折りたたんだ状態でスクリーンは端末の外側に位置する。この点が、本のように折りたたむサムスンのギャラクシー・フォールド(Galaxy Fold)とは異なる。メイトXは、閉じた状態と開いた状態の両方でギャラクシー・フォールドよりも大きく、閉じた状態ではギャラクシー・フォールドより薄い。ただし、メイトXは裏面に第2ディスプレイはない。メイトXもギャラクシー・フォールドも5Gに対応している。ギャラクシー・フォールドの1980ドルに比べて、メイトXは2600ドルと少し高い(どちらもお手頃とはいえない価格だが)。
3年を費やした開発されたメイトXは、ここしばらくスマホ業界に見られなかったレベルの興奮をもたらした。イノベーションの面でスマホは行き詰まっているというのが一般的な見方であり、根本的な改革でなく、改善を徐々に進めるというのが昨今の風潮だ。昨年、スマホの販売台数が初めて減少に転じた。少なくともその理由の一部は、いま使っているスマホを手放すことを人々が納得できるほどの進歩がなかったということだろう。
米国と一部同盟国におけるネットワーク・インフラに関する安全保障上の懸念が原因で、ここ数カ月間ちょっとした苦境に立たされているファーウェイにとっては、今回の発表はまたとないPRの機会である。安全保障上の懸念はスマホ部門とは何の関係もないが、この懸念が原因でファーウェイの製品の購入をためらう消費者が出てくる可能性はある。さらに言えば、値段も気がかりだ。