本人も知らなかった課題があぶり出される
「池澤さんには当スタジオが初回の対面コンサルティングで行っている“課題発見アセスメント”を体験していただきたいと思います。最初に30秒ほどの音声を聞いていただきますので、再生が終わったら話の概要でも聞き取れた単語でも、何でもいいので聞こえたことをわたしに日本語で教えてください」と黒澤さん。
パソコンからから、あるシチュエーションでの女性のひとり語りが聞こえてくる。再生が終わると、池澤さんが話の内容を説明する。どうやら意味はほぼ聞き取れているようだ。
「後半に少しぼやっとしたところがありましたが、結構聞き取れていましたね。次にもう一度、同じ音声をリスニングしてもらうのですが、今度はその前に音声に出てきた単語を覚えていただきます。単語は必ず音声と文字と意味の3つをセットで覚えてください。わたしが単語を発音するので、直後にリピートしていただけますか」と黒澤さんが、池澤さんに依頼した。
単語を覚えた後に先ほどと同様、音声の内容を述べる。さらに次の段階では英語を意味の塊、通称「チャンク」で捉える練習をしてから音声を聞く。最後に池澤さんひとりで最初から最後まで音読する。ここまで要した時間は15分ほどだ。
傍からはリスニングのトレーニングにしか見えないが、これはあくまで「課題発見アセスメント」。セッションの目的は、池澤さんの課題を発見することにある。セッションによって浮上した池澤さんの課題を黒澤さんが次のように解説する。
「リスニングに関して、池澤さんはかなり力があると思います。したがって、そのままキープアップしていけばいいでしょう。一方、リーディングに関しては課題がありますね。ひとつには、英文を日本語の語順に直して訳す「返り読み」をしていること。返り読みをしていると、リーディングスピードがなかなか上がりませんので、英語を語順通りに意味処理できるようにトレーニングしていくことが必要です」