青色LEDの材料としても知られる窒化ガリウム(GaN)。小型ACアダプタへの応用の可能性は以前から知られていたが、ここに来て、実際の製品が各社から登場している。
既存の同クラスのACアダプタと比べて
2回りほど小さく、重量も半分
スマホ向け周辺機器でおなじみのAnkerが送り出す「Anker PowerPort Atom PD 1」(3499円)もその1つ。USB PDに対応した小型ACアダプタで、手の平サイズでありながら最大30Wと、スマホやタブレットの急速充電はもちろん、30Wでの充電に対応したノートPCであれば利用可能だ。大きなノートPC用ACアダプタを持ち運ぶ必要がなくなれば、旅行や出張にも便利。というわけで、早速実機を入手した。
本製品の最大の魅力はやはりその本体サイズ。35×41×55mm(プラグ部分を除くと、実測で35×41×36mm)で、メーカーは「ゴルフボールサイズ」と表現している。13インチMacBook Pro(2017)ユーザーの本稿担当が旅行時などに持っていくのは、12インチMacBook用の「29W USB-C電源アダプタ」(現在は30Wタイプに更新)だが、実測値で54×54×23mmなので、ほぼ同じワット数で2回り以上コンパクト。重量も約53g(同じく実測値で約108g)とこちらも大きな差がある。
出力側の仕様も5V/3A、9V/3A、15V/2A、20V/1.5Aとあるので、幅広い機器で利用できそうだ。
というわけで、iPhone XS、Pixel 3 XL、13インチMacBook Pro(2017)で試してみた結果が以下のとおり。いずれも相応に高速で充電できそうだ。充電中の温度も若干温かくなった程度で、触れないような熱さではない。
ちなみに13インチMacBook Proに付属しているのは、61WのACアダプタなので、本稿担当がこれまで使っていたMacBook用の29Wタイプも含めて、出力不足で正しい使い方ではないということになる。ただ、起動して使っている状態では厳しいが、スリープ中であれば時間はかかるものの数時間の間に充電できる。
USB PDでの充電に対応したノートPCでも、たとえば「45W以上の入力がないと充電されない」といった仕様の製品もあるため、すべての環境で利用できるとは限らないが、寝ている間に充電できればよくて、荷物を少しでも減らしたい旅行時には有効。目的が合致するなら、このコンパクトさはかなり魅力的と言えるだろう。