EOS Rは30年かけてEOS本来の姿を
具現化したカメラかもしれない
EOS Rをさまざまな取材撮影で使い、使えば使うほど、このカメラに魅力を感じている。出始めの頃は、EFレンズを多用していたことと、そもそものEOSとは少し異なる使い勝手に「これはEOSであってEOSではない」と思ったが、設定を詰めていくことで、EOS RはEOSよりも使いやすいカメラであるように感じている。
一方でコンパクトであるがゆえに、レンズが太くなると指が入らないのでは? という心配も。手が大きな筆者だと「もう少し大きくして欲しい」というのが偽らざる本音だ。
EFレンズが使えるのがEOS Rのメリットであり、さらにいえば開放から合焦するAF性能によって、従来の一眼EOSよりもレンズの魅力を引き出してくれるのだが、やはりEOS RはRFレンズとの組み合わせて使いたい。
EOS RのセンサーはEOS 5D Mark4と同等であるため、同じEFレンズをEOS RとEOS 5D4で撮った場合、仕上がりに大きな差はないだろう。むしろ撮ったフィーリングや使い勝手は、EOS 5D4の方が勝っているかもしれない。しかしRFレンズを使った瞬間、EOS 5D4が昔のカメラのように感じてしまう。レンズにあるコントロールリングの使い勝手と、AF速度、撮影フィーリングが一眼レフを過去のものとするのだ。
快適・快速・高画質というEOSの標榜は30年目にして遂に実現した、というと大げさであるが、一眼も一眼で良かったが、それを超えているというのは大げさでも何でもない。
一眼レフを使っているベテランこそ、最初絶対に戸惑うと思うEOS R。しかし、乗り越えた先に幸せがあると信じてほしい。今ではEOS 55のキャッチコピー「楽園へ、イオス。」が頭に浮かぶ日々だ。