グーグルはアンドロイド携帯電話向けの新しい2つのアプリを発表した。聴覚障害者や難聴者の支援が目的だ。
「ライブ・トランスクライブ(Live Transcribe)」は、スマートフォンのマイクを使って会話をリアルタイムで書き起こすアプリだ。聞き取りが困難な人が会話の内容を文字で読めるようになり、70カ国語に対応している。アプリを試したい場合は、事前登録が必要だ。
「サウンド・アンプリファイア(Sound Amplifier)」は、周囲の環境音や不必要なノイズを除去することで、会話を聴きやすくするアプリだ。自分が騒がしいと感じている音の音量を大きくしないように調整できる。つまり、スマホと有線接続したヘッドフォンを補聴器として使えるわけだ。5月に開催されたグーグルの年次開発者カンファレンスで初めて発表され、このほどようやく利用可能になった。ライブ・トランスクライブとは違い、サウンド・アンプリファイアはインターネットに接続しなくても利用できる。
グーグルによると、ライブ・トランスクライブが書き起こした会話は保存されず、音声やテキスト・データもサーバーには残らないという。
今回の発表は、自然言語処理と機械学習分野におけるグーグルの野心的な動きを表している。たとえば、グーグルは先月、会話をリアルタイムで通訳するグーグル・アシスタントの機能、「通訳モード(Interpreter Mode)」も発表している。