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「星がブラックホールになる瞬間」を初観測か?

2019年01月15日 05時55分更新

文● Erin Winick

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ある星が崩壊する様子が、天体望遠鏡で捉えられた。

2018年6月、極めて明るい天体が空に出現し、「AT2018cow (通称「カウ」)」と名付けられた天文学上の謎を生んだ。この現象を捉えたのは、ハワイに設置した2基の天体望遠鏡による全天観測システム「アトラス(ATLAS:Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System)」。アトラスは地球からおよそ2億光年の宇宙の彼方に明るく輝く点を見つけたが、突如現れたかと思うと数日後には消えてしまったのだ。研究者たちは当初、超新星ではないかと考えたが、通常の超新星よりも10〜100倍明るく、あっと言う間に見えなくなってしまった。

1月10日の第223回米国天文学会での発表によると、ノースウェスタン大学の研究者たちは、1つの星が崩壊してブラックホールまたは中性子星になる瞬間を天体望遠鏡が捉えたものと考えているという。

通常は星がブラックホールに崩壊する際には、大量の物質が飛び散るため、視界が妨げられて地球からその事象を見ることができない。 しかし、この星は飛び散る物質の量が10分の1程度だったため、天文学者たちが内部の様子を見ることができたのだとノースウェスタン大学のラファエラ・マーグッティ助教授はいう。「『電球』のようなものが1つ、 爆発による噴出物の奥深くに鎮座して見えていました」。

ノースウェスタン大学のチームはこの結論を引き出すために、可視光を捉える天体望遠鏡だけでなく、星の終末を研究する伝統的な手段であるX線、硬X線(エネルギーの特に高いX線)、電波、ガンマ線なども使ってカウを研究した。これらの手段を使うことで、研究者たちは可視光域での明るさが減少した後も、この現象の研究を続けられた。今回、ブラックホール(あるいは中性子星)が形成される様子をついに観察できたのだとすれば、天文学者たちは物質が新たに作り出される時にどんなことが起こるかについての理解を深められるだろう。

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