フェイスブックは、メッセンジャーアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」を使ってユーザー同士が送金できる暗号通貨を開発しているという。12月21日付のブルームバーグの記事が報じた。
ここしばらくの間、フェイスブックがブロックチェーン技術に関連する何らかの開発を進めていることは周知の通りだ。 フェイスブックは2018年5月に、ペイパル(PayPal)の元社長であり、当時ワッツアップを統括していたデイビット・マルクスに、フェイスブックのブロックチェーン開発計画の陣頭指揮を執るように指名していた。 ブルームバーグによると、フェイスブック社内には現在、40名ほどのブロックチェーン・チームがあるとのことだ。
フェイスブックは米ドルのような従来の通貨により裏付けられた暗号通貨の開発に取り組んでいるという。 法定通貨による裏付けがあれば、大半の暗号通貨を悩ませている価格の乱高下の問題を回避できる。価格を米ドルの価格に固定させた暗号通貨「ステーブルコイン(安定通貨)」がすでに暗号通貨ユーザー間では普及しており、他にも多数のステーブルコインが開発中だ(「暗号通貨業界で『ステーブルコイン』が過熱する理由」を参照)。
ブルームバーグの記事によれば、フェイスブックのステーブルコインは、インドを最初のターゲットにする可能性があるという。理に適った戦略だ。というのも、海外からインドへの送金額は690億ドル(2017年)という莫大な額であり、世界最高額だからだ。 潜在的なビジネスチャンスがあることは明らかな一方で、まだよくわからないことも多い。ブルームバーグによると、フェイスブックが「実際に通貨を発行するまでは遠く」、現時点ではまだ全体的な戦略を練っている段階だという。