イベントでの安全を守るスマートドローン
KDDIは警備会社のセコムと、ドローンのソリューションを開発するテラドローンと協業し、ドローンによる大型スタジアムでの広域警備の実証実験に成功した。
今回の実証実験は、スタジアムでイベントが開催されない日にドローンで警備し、入ってはいけない場所にいる不審者を発見するというもの。高高度で広域監視する俯瞰ドローンと、AIでの人物検知機能を搭載した巡回ドローン飛ばし、不審者を検知したら近くの巡回ドローンが現場に急行し、4Kビデオカメラで対象の不審者を撮影する。巡回ドローンは複数台がスタジアムの周辺を飛んでおり、不審者の一番近くにいるドローンが自動で移動するシステム。なお、ドローンの映像はリアルタイムで運行管理システムで監視される。
運行管理システムではスタジアム上空の電波状況や天気、風の強さなどを3D映像で表示。天候次第では飛行する・しないといった判断をユーザーだけでなくシステム上でも行なう。
今回のドローンは通信をWi-Fiではなく、LTE回線を使うことでアンテナ設置などのコストを削減している。将来的には5Gにも対応し、高精細な映像を低遅延で地上に送れるようになるという。
イベントがないときの実証実験には成功したが、今後イベント時の運用に期待がかかる。現段階だと、ドローン巡航時間が20分程度、バッテリーやドローンの台数が多く必要、悪天候のときに飛べない、不審者の細かい定義などの問題も抱えているのも事実。低コストで運用できるようになれば、多くの人が集まる場所で心強い味方になるだろう。